米大幅利上げがもたらす3つの波紋…輸出まで打撃なら韓国経済に衝撃

米大幅利上げがもたらす3つの波紋…輸出まで打撃なら韓国経済に衝撃

 「さらに高い金利が必要だと判断されれば、我々はためらわずにそうする」

 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は4日、22年ぶりに政策金利を一度に0.5%引き上げた後、今回のような「ビッグステップ(大幅利上げ)」が一度にとどまらないことを強く示唆した。さらに、「次の2回の会合でも0.5%の利上げが検討されるだろう」と述べ、深刻化するインフレに対応するため、大幅な利上げを続ける意向を示した。22年前の2000年5月に「ドットコムバブル」を沈静化するために実施した大幅利上げは1回だけだった。

 FRBが予告通りに政策金利を急激に引き上げれば、米国の金利水準が上昇し、国際金融市場に衝撃を与えかねない。韓国からも資金が流出する懸念がある。また、ドル高ウォン安が進めば、輸入物価が上昇し、過去13年6カ月で最高にまで上昇した韓国の消費者物価上昇率がさらに高まるリスクも強まる。

■FRB、3連続の「ビッグステップ」予告

 パウエル議長は同日、大幅利上げ発表後に開いた記者会見で、「0.75%の利上げは積極的には検討していない」と述べた。通常の金利調整(0.25%)を意味する「ベビーステップ」の2倍の「ビッグステップ」は行ったが、それよりも強力な「ジャイアントステップ」はないと断言した格好だ。投資家は最も恐れていた状況から脱し、ニューヨーク株式市場では同日、S&P500指数が3.0%急騰した。

 ジャイアントステップはないというが、FRBが予告した利上げ姿勢は前例がないほど強い。今年あと5回残された連邦公開市場委員会(FOMC)の会合のうち2回はビッグステップを踏み、残る会合で毎回0.25%の利上げを行うとすれば、現在0.75-1%の米政策金利は年末には2.5-2.75%まで上昇する。コロナ前(2.25-2.5%)を上回る水準だ。今年初めのFRBの政策金利は0-0.25%だった。FRBが予想通りに利上げペースを速め、1年間で政策金利を2.5%引き上げれば、インフレが深刻だった1980年代以来となる。

■物価、株価、輸出が全て不安な韓国

 パウエル議長は攻撃的な利上げが景気低迷につながる可能性は低いとみられるとし、自信を見せた。今年1-3月の米経済はマイナス成長だったが、「家計支出と企業投資は堅調だ。景気停滞を暗示する証拠はない」とした。

 景気停滞を懸念せず、物価から抑制するというFRBの自信は韓国など新興国の経済にはリスク要因となる可能性が高い。政策金利に沿って米市場金利が上昇すれば、韓国に投資されていた資金が相対的に安全で金利も高い米国へと流出しかねない。韓国の政策金利は現在年1.5%だ。今月26日に韓国銀行の金融通貨委員会が0.25%の利上げを行ったとしても、パウエル議長が予告したペース通りにFRBが利上げを行えば、7月には米国に逆転される。

 米国への投資が集中し、ドル需要が増大することでドル高が進めば、ウォン安懸念も高まる。ウォン相場は既に年初の1ドル=1192ウォンから同1266ウォン(4月末)まで下落している。ウォン安はウォンベースでの商品価格が安くなり、輸出企業にはメリットとなるが、輸入商品価格は上昇し、インフレを加速させるリスクが高い。また、ウォン安が韓国株のドルベースでの価値を押し下げ、韓国の資産に対する投資魅力も低下し、資金流出を触発する懸念がある。こうした不安が広がり、韓国株式市場(有価証券市場)では年初来、外国人の資金が10兆ウォン以上流出した。

 西江大経済大学院の金永翊(キム・ヨンイク)教授は「FRBが物価を抑制するために攻撃的に政策金利を引き上げ、パウエル議長の予想に反し、米国に景気停滞が押し寄せれば、韓国の成長を支えている輸出も打撃を受けかねない。間もなく発足する尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が直面する世界経済の状況は思わしくない」と述べた。

 他国も急激に金利を引き上げている。イングランド銀行(英中央銀行)は5日、政策金利を0.25%引き上げ1%とした。2009年2月以降で最も高い金利水準だ。4日にはブラジル中央銀行が政策金利を11.75%から12.75%へと1%引き上げた。サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェートなども0.5%の利上げを実施した。

金信永(キム・シンヨン)記者、ニューヨーク=鄭始幸(チョン・シヘン)特派員

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