ドクター・ナウのオンライン診療は全国1000カ所の提携病院・医院と薬局を中心に行われている。アプリで「距離の近さ順」あるいは「レビューの多い順」で病院を選び、電話・画像などで非対面診療を受けると、患者のいる所から最も近い提携薬局に処方せんが自動的に送信される。患者は薬を直接受け取ることも、バイク便や宅配便で当日配送してもらうこともできる。居住地に関係なく全国どこでも診療が可能だということだ。地域別利用者は現在、首都圏が70%、首都圏以外が30%前後だ。ドクター・ナウ側は「処方薬当日配送地域がこれまでの首都圏・6大広域市から徐々に地方へと広がるにつれ、首都圏以外の利用者もこの1年間で約9倍と急増した」と明らかにした。
■診療・薬の処方で従来のシステムを破壊
オンライン非対面診療は従来のシステムを急速に破壊しつつある。地域間の壁を壊し、地方の病院がソウル市や京畿道といった首都圏の患者を受け入れて活力を取り戻した事例もある。全羅南道の最南端・海南郡で外科医院を開業しているキム・ドンシク院長は今年2月、自身のブログに「午前にオンラインで診療した患者14人のほとんどが京畿道・仁川市地域の患者だった」と書いた。「病院レビュー」が少しずつ増え、無作為で探さなくても、事前に病院に関する情報を得られるようになったからだ。ドクター・ナウの関係者は「実力があって親切な医師だという評判が高まれば、地方の個人医院でも首都圏の患者を受け入れることができるし、病院前という好立地にない薬局も処方せんを受け取れるチャンスが生まれるだろう」と話す。
オンライン非対面診療が個人医院を中心に広がると、同診療合法化に反対してきた大韓医師協会は見解を翻し、「事実上の受け入れ」を明らかにした。一方、薬剤師の団体は「オンライン診療、薬の配達は国民の健康を脅かす」として、依然として反対している。世界のオンライン医療市場は2019年の416億ドル(約5兆3760億円)から2027年には3967億ドル(約51兆2060億円)へと急成長する見通しだ。
パク・スンチャン記者