【萬物相】「本当にロッテか」

【萬物相】「本当にロッテか」

 映画『2番目のキス』(原題:Fever Pitch)は、米大リーグのボストン・レッドソックスの大ファンである男性教師が主人公だ。主人公は毎年レッドソックスの162試合をすべて観戦するため、恋愛に毎回失敗し、「運命の女性」に出会ったにもかかわらず、野球のために別れる危機に瀕する。見かねた幼い弟子が聞く。「先生はレッドソックスを愛していますが、その愛をもらったことはありますか」

 成績がどんなに不振でも、大好きな野球チームのためなら片思いし続けるファンを「ヤッパ」と呼ぶ。米国ではボストン・レッドソックスとシカゴ・カブスのファンが2大ヤッパとして君臨するが、それぞれ86年と108年間の忍耐の末、片思いに報われた。日本では阪神タイガースのファンが有名な「ヤッパ」だ。阪神は日本シリーズを1985年に一度優勝して以来、首相は19人も変わったが優勝していない。それでも阪神ファンのチーム愛は変わらない。日本の医学界には「難病を患う阪神ファンが優勝を想像してリハビリした方法」「阪神ファンは敗北した試合を見ても心拍数が下がる理由」などの論文がある。

 韓国のヤッパは何と言ってもロッテだ。サムスンと共に41年の歴史を誇る元祖KBO(韓国野球委員会)加盟チームだが、サムスンが8回も優勝する一方で、ロッテは最下位に甘んじ続け、「コルテ(ビリ)」と呼ばれた。レギュラーシーズンで1位にはなった試しがなく、韓国シリーズ優勝は1992年が最後となる。現在KBO所属の10球団のうち、最も長い間優勝から遠ざかっている。「無敵LG」と「最強ハンファ」のファンも自他共に認めるヤッパだが、これらの球団はそれぞれ1994年と99年に優勝しており、ロッテファンに比べると苦難は短い。

 野球ファンは、スペイン・プロサッカーの「レアル・マドリード」と「FCバルセロナ」が対戦する「エル・クラシコ」にちなんで、LGとロッテの対戦を「エル・コル(チ)ラシコ」(コルチは日本語でビリの意)と呼ぶ。ロッテはエル・コルラシコでいつも劣勢だったが、先週末LGとの3連戦を総なめし、リーグ2位を死守した。LG戦での3連勝は2012年6月以降10年ぶりとのことだ。走者が出れば併殺打を放ち、投手は四球を与え、守備陣は「失策」を繰り返す最下位野球ではなく、先発は好投し、打者は打点を挙げ、野手は好プレーを見せる「ロッテ・ジャ2アンツ」(2は韓国語で「イ」と読む、最近2位なので付けられたニックネーム)の野球に、ファンたちは「本当にロッテか」と嬉しい悲鳴を上げる。

 伝説的な米野球記者レナード・コペットは「野球は科学ではなく芸術」と表現する。科学には不確実性がないが、芸術は意志と能力によって結果が変わる。画家フランシスコ・デ・ゴヤのように暗くて「怪異」だったロッテの野球が、今春はアンリ・マティスのように明るくて生き生きとしている。今季限りの引退を宣言した李大浩がファンに別れを告げる時、その指には優勝リングが見られるだろうか。

ヤン・ジヘ記者

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