韓国陸軍「斬首部隊」の作戦計画、一部が北に流出

仮想通貨を受領し韓国軍の機密を流出させ逮捕・起訴された大尉
地域隊の作戦計画も撮影して送付

韓国陸軍「斬首部隊」の作戦計画、一部が北に流出

 北朝鮮の指示を受け軍事機密を流出させた容疑で韓国陸軍の大尉が先日逮捕・起訴されたが、この大尉は自分が所属する部隊の作戦計画の一部も工作員に送っていたことが26日までに分かった。大尉は逮捕された際、北朝鮮の工作員から4800万ウォン(約484万円)相当の暗号資産(仮想通貨)を受け取っていた。大尉は韓半島有事に「敵指導部除去作戦」を行ういわゆる「斬首部隊」に所属していたが、この部隊の地域隊が戦場でどう行動するかに関する計画を北朝鮮に流出させていたのだ。

 韓国与党・国民の力の姜大植(カン・デシク)議員の事務所が入手したこの陸軍大尉の公訴状によると、大尉は軍事2級秘密に相当する地域隊の作戦計画も北朝鮮工作員に流出させていた。当初北朝鮮工作員は大尉が所属する旅団と大隊の作戦計画を要求したが、これらにアクセスする権限がなかった大尉は自分が入手できる地域隊の作戦計画を撮影し送っていたという。その後、大尉は旅団と大隊の作戦計画も送るためこれらをスマートフォンで撮影していたところを拘束された。ある韓国軍関係者は「地域隊の作戦計画には上級部隊である大隊や旅団の作戦計画も大枠で含まれているため重要な機密に相当する」と説明した。

【図】北朝鮮工作員による韓国軍戦場ネットワークのハッキングの試み

 また大尉を取り込んだ北朝鮮工作員はいわゆる「110号研究所」と呼ばれる北朝鮮ハッカー部隊に所属しており、暗号名は「ボリス」だったことが分かった。「110号研究所」は2009年に青瓦台(旧韓国大統領府)や国会など韓国の主な政府機関や民間企業に対して行われたサイバー攻撃の黒幕で、北朝鮮偵察総局所属のハッキング研究機関だ。捜査当局は「ボリス」について「北朝鮮ハッカー組織の上層部にいる人物」と把握している。

 韓国の警察庁、軍事安保支援司令部、ソウル中央地検は合同で捜査を行い、先月28日に大尉を逮捕・起訴した。これまで大尉が韓国軍の通信システム「戦場網」への侵入を試み、「国防網陸軍ホームページ」のログイン画面や「陸軍保安守則(心得)」などをスマートフォンのカメラで撮影し送っていた事実はすでに公表されていたが、作戦計画の一部まで流出させていた事実は伝えられていなかった。戦場網は韓国軍が軍事演習や訓練の際に情報をやりとりする統合戦時管理システムだ。

リュ・ジェミン記者

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