【コラム】生産職年収1億ウォン時代の裏側

平均年俸9600万ウォンの現代自動車労働組合
会社は赤字でも給与のさらなる引き上げを要求
電気自動車への大転換の時期を乗り切るため排他的な特権を手放し共存の道を

 現代自動車蔚山工場は今年「生産職平均年俸1億ウォン(約1050万円)時代」に入る可能性が高いという。この工場では在職期間の長い労働者が多く、そのため平均給与は現在9600万ウォン(約1010万円)ほどに達している。しかし現代自労組は「もっと多くの賃金」を求め賃金の大幅引き上げの要求貫徹を宣言したのだ。

 「ブルーカラーの年俸1億ウォン」は韓国製造業の歴史で一つの転換点になりそうだ。しかしそれは何もせずただやって来るわけではなく、その点は残念だ。現代自動車の生産職が手にしている高額年収は新たに生産現場に入った若い労働者にとっては最初から手に入らない特権に過ぎないからだ。現在の中高年中心の過激労組に振り回されてきた現代自は、今後定年で毎年2000-3000人の生産職が退職した場合でも、その代わりとなる若い従業員を採用しないからだ。さらに現代自労組は定年を伸ばして今の特権をさらに延長しようと動き出している。

 生産職の年収がいくらであってもそれは彼らを雇用した現代自が決めることだ。しかし現代自の国内法人は今年1-3月期に3600億ウォン(約380億円)近い赤字を記録した。原材料不足など外からの要因が大きかったが、より根本的な原因は、海外工場で10人いればできる仕事を韓国国内では18人で行い、それでも高い賃金を受け取るいびつな構造にある。韓国国内の自動車市場で85%のシェアを持つ独占的な地位を維持し、また国内の工場ではどこも最新の自動化設備を持っているが、それでも赤字が出るのはある意味当然のことだ。このような構造でも現代自労組は海外を含む企業全体で得た純利益の30%を成果給として堂々と要求している。黒字を出す海外工場のおかげで世界における現代自全体の利益が黒字になっているおかげだ。

 1%台の営業利益率に苦しむ協力会社や下請け企業の労働者、外車よりも現代自や起亜自の車を圧倒的に選択する韓国の消費者は、赤字にかかわらず高い年収を求め大騒ぎする現代自生産職をどう見ているかあえて問うべきだろうか。専門家は「現代自はすでに一高三低の泥沼にはまっている」と指摘する。一高三低とは「高賃金」「低い生産性」「低効率」「低収益」の構造を意味する。

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  • ▲現代自動車蔚山工場本館前の芝生広場で「2022賃金交渉勝利に向けた出征式」を行う同社労働組合。5月25日撮影。/聯合ニュース

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