【6月22日付社説】ついに宇宙への第一歩を踏み出した大韓民国

 韓国初の宇宙ロケット「ヌリ号」が21日に全羅南道の羅老宇宙センターから打ち上げられ、衛星軌道への到達に成功した。昨年10月の1回目の打ち上げが失敗した原因を修正し、発射、分離、性能検証衛星の軌道進入まで完璧に成功した。この結果、韓国は米国、ロシア、欧州、日本、中国、インドに続き重さ1トン以上の衛星を自力で打ち上げる能力を持つ7番目の宇宙自立国となった。

【写真】火炎を噴き出して上昇していくヌリ号

 ヌリ号はこれまで12年にわたりおよそ2兆ウォン(約2100億円)の予算が投入され、300社以上の韓国企業が開発に参加した。ロケット技術はミサイルへの転用が可能な代表的な二重用途で、どこの国も他国には伝えない。1950年代に開発されたロケットの設計図さえ今なお極秘とされるくらいだ。韓国の研究チームは他国の博物館に展示されたロケットを見て回り、羅老号打ち上げの際に来韓したロシアの科学者たちが廃棄した書類まで回収して技術を確保した。このような血と汗の努力がヌリ号の成功へとつながったのだ。

 先進各国は宇宙を未来産業と考え熾烈(しれつ)な競争を続けている。宇宙ステーション、宇宙ホテル、月面基地などを建設する計画が相次いで公表され、5億ウォン(約5300万円)以上する宇宙旅行のチケットも数百枚が売れた。100万人が住む都市を火星に建設するという民間企業スペースXの企業価値は160兆ウォン(約17兆円)に達し、世界最大の軍需企業とされるロッキード・マーティンをも上回った。15-16世紀の大航海時代に活躍した欧州諸国が数百年にわたり全世界を支配したように、今後の覇権は最初に宇宙を支配する国が握るようになるだろう。

 韓国航空宇宙研究院は2027年までにさらに4回ヌリ号を打ち上げ、信頼性を高めた上でその技術を民間に移転する計画だ。米航空宇宙局(NASA)が数十年にわたり蓄積した技術がスペースXの誕生で民間に受け継がれたように、韓国もヌリ号を通じて宇宙産業の生態系を造成しなければならない。今年8月には韓国初の月探査船「タヌリ」が米国で打ち上げられ、2030年には韓国のロケットで月面着陸に挑戦する。

 韓国は人工衛星、宇宙センター、宇宙ロケットという宇宙産業の三大核心競争力を全て確保したが、今なお宇宙先進国と競争するには不十分だ。打ち上げ費用を画期的に安くするにはロケットの回収とそのリサイクル技術、より重量のある人工衛星やロケットを打ち上げられるロケット技術など、乗り越えるべき巨大な壁はまだまだ多い。宇宙強国への飛躍は数十年かかる長い旅程になるだろう。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の公約でもある「韓国版NASA」の設立を急ぎ、予算の拡大や人材養成計画もより攻撃的に推進しなければならない。韓国にはすでにイノスペース、ペリジエアロスペース、コンテックなど失敗を恐れない若い起業家による宇宙スタートアップ企業(ベンチャー企業)が芽吹いている。これらスタートアップ企業が宇宙市場で活躍する韓国代表企業に成長することを期待したい。

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  • ▲韓国の技術で設計・製作された韓国型ロケット「ヌリ号(KSLV-Ⅱ)」/写真共同取材団

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