【独自】射殺された韓国公務員の妻「セウォル号は9回調査したのに」「共に民主党は北側にいると感じた」

「良心のない人たち」「夫についての捜査は一度もまともに行われていない」

 北朝鮮軍の銃撃で死亡した韓国海洋水産部(省に相当)職員だった故イ・デジュンさんの妻・クォンさんが20日、野党・共に民主党の議員らに対し「最初に事故が起こった時から大韓民国国民の側ではなく北朝鮮側にいると感じた」「良心もない人たちだ」と批判した。これまでは「イさんは越北しようとした」とされてきたが、韓国政府がこれを覆す最終捜査結果を発表し、共に民主党議員らがこの捜査結果を「色分け」などと批判したためだ。クォンさんは文在寅(ムン・ジェイン)前政府に対し「セウォル号の調査は9回もしたのに、夫についての捜査は1回もまともに行わなかった」として不満を吐露した。

 クォンさんはこの日午後、本紙の電話取材に応じ「同じ大切な命なのに、なぜあのように選択して言えるのか」とした上で上記のように話した。共に民主党の禹相虎(ウ・サンホ)非常対策委員長は韓国政府の発表に対し「親北イメージを造成するための『新しい色分け論』と規定し、また同党の薛勲(ソル・フン)議員は「何でもないこと」と発言して後にこれを削除した。今もSNS(交流サイト)や野党を支持するネットのグループなどではイさんの遺族に対する2次加害が続いている。

 禹委員長は「民生問題の方が重要だ」と主張しているが、これに対してクォンさんは「民生ももちろん重要だが、国民のいない国家はない」とした上で「国民がいてこそ国家もあり、民生もある」と反論した。クォンさんの息子のイ君(19)は20日、禹委員長に直筆の手紙を送り「一晩のうちに夫と父を失った家族の悲惨な苦痛がどういうものか理解しているのか」「2次加害が今後も続けば国民が審判するだろう」と批判した。イ君が手紙を送ったことについてクォンさんは「息子は『越北とは断定できない』とする韓国政府の発表を見た後、『今後はお母さんに任せてやっと自分のことができる』と言っていた。ところが共に民主党議員たちの発言を知って怒り、自ら意思表示を行った」と説明した。イ君は現在、公務員試験に向けて準備しているという。

 クォンさんは2014年の旅客船「セウォル号」沈没事故について「同じ年頃の子供を育てている立場として、あまりにも悲しかった」としながらも、文在寅前政府に対しては「セウォル号の調査が9回も行われる間に、私の夫は1回もまともに捜査してもらえなかった」「同じ大切な命であり、北朝鮮という敵対国家によって発生した事故だった」として遠回しに不満を伝えた。「文前大統領は国民の死に対して選択して行動した」と指摘したのだ。

 クォンさんは「真相解明は法的訴訟などを通じて行われる。越北ではなかったと政府が判断したので名誉回復に向けた手続きを進めたい」との考えを示した。イ・デジュンさんが「失踪者」から「死亡者」に変更されたことを受け、海洋水産部長官との面会などを経て殉職申請を行うということだ。クォンさんは事件の実態を解く鍵となる韓国軍特殊情報(SI)について「共に民主党はあのとき傍受した内容を全て聞いたのではなく記録を見たということだが、その話は信じられない」「関係者の立ち会いの下で遺族に直接聞かせてほしい。それが行われないなら何も解消されない」との考えを示した。

キム・ウンジュン記者

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  • ▲北朝鮮軍が2020年9月に射殺した韓国海洋水産部(省に相当)西海漁業指導管理団所属だった故イ・デジュンさんの妻。/聯合ニュース

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