「クアッドは非軍事分野を拡大して韓国加入の負担を減らすべき」

 「クアッドは中国けん制用とされるが、実際のところクアッドは中国による攻勢の脅威に伴う結果だ。十分な信頼が積み上げられれば韓国も加入できる」(インド・オブザーバー研究財団米国センターのドルバ・ジャイシャンカル所長)

 「韓国と中国は領土問題など構造的な紛争がない国だ。韓国がクアッドに参加すればTHAAD(高高度防衛ミサイル)のときのような報復が繰り返される恐れがある」(マカオ大学の由冀教授)

 グローバル戦略協力研究院(ファン・ジェホ院長)と日本の慶応大学現代韓国研究センターが共同で主催する国際カンファレンス(会議)が21日にソウル市内のコリアナ・ホテルで開催された。テーマは「変化する国際秩序とインド太平洋パラダイムの未来:韓国版インド太平洋戦略模索」。韓国、中国、日本の3カ国をはじめ米国、ロシア、インド、カナダ、シンガポールなど11カ国から30人以上の専門家が参加し、韓国のクアッド参加について出席者の間で論争が繰り広げられた。

 韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は今年5月、米国のバイデン大統領と韓国で首脳会談を行った際、「韓国版インド・太平洋戦略」を推進する考えをすでに伝えている。

 クアッド参加国の専門家らは韓国のクアッド加入に前向きな考えを表明してきた。ジャイサンカル所長は「クアッドは経済安全保障やエネルギーなどさまざまな分野に拡大するだろう」とした上で「韓国がクアッドの公約に同意し、積極的に寄与していくのであれば、長期的にはクアッド加入は可能だ」と発言した。

 平成国際大学の阿久津博康教授も「日本と韓国、オーストラリアが三角安保協力関係を構築し、インド・太平洋地域における安全保障面での挑戦に対抗しなければならない」「韓国の参加を歓迎する」と述べた。

 クアッドは安保協議体の性格を持つが、「韓国が加入する際の負担を減らすには拡大改変が必要」との意見もあった。米国海軍分析センター(CNA)のデイビッド・フィンケルスタイン副所長は「クアッドは経済や食糧安全保障など非軍事的な側面が不十分という問題がある」「韓国のような国々が参加するのであれば、このような点を補うことが可能になるだろう」との考えを示した。フィンケルスタイン氏は「インド太平洋戦略について過去には軍から報告書が出されたが、今はホワイトハウスが中心になっている」「経済分野などが補強されれば適切な時期に韓国はクアッドに加入できるだろう」とも述べた。

 これに対して中華圏の出席者たちは慎重な考えを示した。マカオ大学の由冀教授は「韓国はクアッドに加入すれば南シナ海における航行の自由作戦に参加するだろうか」「韓国の国益にプラスにはならないだろう」と指摘した。シンガポールのユソフイシャク研究所のウィリアム・チュン専任研究員も「ASEAN(東南アジア諸国連合)からは7カ国がインド太平洋経済枠組み(IPEF)に参加したが、クアッドについてはブロック化の道具に利用されるとの見方が有力視されている」「韓国はクアッド加入に先立ちその費用と効果を緻密に分析する必要がある」と発言した。

 韓国国立外交院のキム・ヒョンウク教授は「ハイテク新技術分野を中心とした経済安全保障、海洋安全保障分野でまずワーキンググループに参加することは可能と考える」「韓国が特定の国(中国)を念頭においた安保協力体に加入するかどうかの判断はわれわれの宿題になるだろう」との見方を示した。

崔有植(チェ・ユシク)東北アジア研究所長

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  • ▲ソウル市内のコリアナ・ホテルで21日に開催された「韓国版インド・太平洋戦略の模索」をテーマとする国際カンファレンスで演説するアレクサンドラ・シードル駐韓オーストラリア大使館公使。

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