数学を諦めた人が多い韓国、数学の研究力は「最高先進国グループ」

全世界12カ国のみの第5グループに属する韓国

 米プリンストン大学のホ・ジュニ教授(39)が韓国人初のフィールズ賞を受賞したが、研究業績においても韓国の数学はすでに国際的に非常に高い地位にある。その代表的な例として今年2月に国際数学連合(IMU)は韓国の等級をこれまでの第4等級から最高先進国グループの第5等級に格上げした。現在この第5グループには韓国を含む12カ国しか属していない。この等級は国際数学者会議(ICM)への数学研究者招待実績、サイエンス・サイテーション・インデックス(SCI、科学引用索引)における数学論文の業績、主な研究機関や大学の数学研究業績などから総合的に評価される。韓国における数学の研究業績はそれだけ優れているのだ。

 韓国の学生は国際数学オリンピックでも毎年トップクラスの結果を残している。昨年7月の大会で韓国の学生たちは金メダル5個、銀メダル1個を獲得し、国別の総合ランキングでは3位に入った。数学界は韓国が数学分野において世界的に頭角を現す背景について「科学分野のようにトレンドにとらわれず、純粋数学に精進している研究者たちが命脈を保っているため」と考えている。韓国科学技術院(KAIST)数理科学科のピョン・ジェヒョン学科長は「数学において韓国はさほど伝統はないが、それでも多くの研究者が地道に研究を続けてきた」「1990年代から世界レベルの論文が発表され始めたが、これらの努力が積み重なり30年が過ぎた今大きく花開いた」と語る。

 ただその一方で「学問分野における国際的な地位と教育現場で『数学放棄者』(学生時代に数学を諦めた人)があふれかえる現状の乖離(かいり)は深刻」との指摘もある。2020年に全国で行われた学業成就度評価によると、中学生と高校生のおよそ10人に1人(約13%)が基礎学力に到達しておらず、毎年その割合は増加している。数学に優れた才能を持つ学生たちも数学よりも安定した職業を求めて医学部などに進学するケースが今なお多い。韓瑞大学数学科のイ・グァンヨン教授は「これまでは少数の優れた人材が多くの研究結果を出してきたが、このような雰囲気が今後も続けば多くの学問の基礎となる数学の研究基盤が崩壊しかねない」と指摘した。

キム・ヨンジュ記者

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