【独自】強制送還された脱北漁師、終始「南に残りたい」と言っていた…自己紹介書20枚以上提出

 2019年11月、文在寅政権が東海上で拘束した北朝鮮漁民2人を強制送還した事件で、文在寅政権幹部が当時、「亡命の信ぴょう性がなかった」と主張していたのとは異なり、亡命漁民が拘束直後から終始「大韓民国に住みたい」という意思を表明していたとする資料と関係者の供述を検察が確保したことが17日までに分かった。

 本紙の取材を総合すると、ソウル中央地検公共捜査3部は、亡命漁民2人が「亡命意思」を自筆で訴え、政府合同調査団と統一部に提出した「保護申請書」と「自己紹介書」を確保したという。亡命漁民はA4で1枚分の「保護申請書」に「大韓民国で暮らしたい」と記し、A4で20枚余りの自己紹介書には、亡命漁民が自分の出身地、家族関係、出身学校、社会経歴などをつづった上で、最終部分には「韓国で暮らしたい」との文言が含まれているという。

 検察はまた、亡命漁民が拘束直後から韓国海軍に亡命意思を表明したことも把握したもようだ。亡命漁民らが強制送還まで亡命意思を覆したことはなかった点も確認したという。

 こうした中、鄭義溶(チョン・ウィヨン)元青瓦台国家安保室長は17日、「北朝鮮漁民は拘束された後、東海港まで来る過程で亡命意思を全く表明しなかった」とし、「合同尋問の亡命意思を確認する段階で亡命意向書を提出した」と主張した。「当初は韓国に亡命する意思はなかった」とも述べた。

 拘束直後、北朝鮮漁民が亡命意思を表明しなかったなどとする鄭元室長の主張は、検察の捜査内容と一致しない。検察は出国禁止処分を受けている鄭元室長に近く出頭を求めて取り調べる予定だ。検察は「(韓国側が)北朝鮮側に意思を先に打診し、その後、国内法に基づいて送還した」という趣旨の鄭元室長の主張について、憲法や法律に亡命意思のある脱北者を北朝鮮に追放できる根拠がないことから、職権乱用容疑の適用が可能だと判断しているという。

 検察は亡命漁民の「同僚船員殺害疑惑」に対する正式な捜査が必要だという合同調査団内部の意見が黙殺された理由についても、鄭元室長を取り調べる予定とされる。

キム・ジョンファン記者

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  • ▲文在寅政権関係者が2019年11月7日、抵抗する北朝鮮漁民の両腕をつかんで取り押さえる様子。/統一部

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