仁荷大の性的暴行転落死事件、ネット上で被害者への「二次加害」相次ぐ

仁荷大の性的暴行転落死事件、ネット上で被害者への「二次加害」相次ぐ

「仁荷大女の写真シェアして」「今日は誰が『仁荷大』(の犯罪と同じことを)やるか」

 仁川市内の仁荷大学キャンパス内で15日、女子学生が男子学生から性的暴行を振るわれた後、校舎の3階から転落して死亡した事件を受けて、インターネットの一部の男性向けコミュニティーサイトやSNS(交流サイト)には、こんな書き込みが寄せられている。投稿者らは被害者を「仁荷大女」と呼び、個人情報を書き込んだり他のユーザーに写真共有を求めたりしている。また、被害者を侮辱する書き込みや、被害者が在籍していた大学をからかうような書き込みも多かった。「被害者の行動にも問題があった」と被害者の責任を主張する書き込みも見られた。

 ネット上でも、こうした書き込みが二次加害に当たるとして自制を求める声が出ている。ネットユーザーらは「二次加害が度を越している」「被害者の個人情報は重要ではない」「加害者がそんなことをしなければ事件は起きなかったのだから、加害者を責めるべき」と批判した。

 専門家は、被害者への二次加害のような書き込みは、処罰対象になる可能性があると強調する。韓国刑事法務政策研究院のスン・ジェヒョン博士は19日、チョソン・ドットコムの電話取材に対し「『被害者はこうあるべき』という昔からの固定観念が今回の事件にも如実に表れている」として「加害者の犯行に注目すべきであり、性暴力の被害者に対してそのような行動をとるべきではない」と指摘した。さらに「書き込む行為自体が処罰対象になりうるという規定が存在し、非難の目的がある言葉は死者に対する名誉毀損(きそん)になる可能性もある」と説明した。

 スン博士は「二次加害と考えられる書き込みは、単純に未熟な行動だと片づけてはならない。こうした行為は必ず処罰されるべきであり、処罰されるということを知らしめなければならない。そうしないと、同様の書き込みがさらに量産される」と強調した。

 仁荷大は、法的措置に乗り出すことを決めた。同大の性暴力死亡事件対策委員会は18日に書面で「被害者に対するネット上での二次加害は容認できない」として「被害者に対する侮辱は、故人だけでなく学校の名誉も失墜させることであり、強い法的措置を取る方針」と明らかにした。

キム・ガヨン記者

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