女性をさげすむ表現にあふれた韓国のウェブトゥーン

「隠しカメラ」で女性を撮影し、体型を評価するシーンも

【韓国ジェンダーリポート2022】〈第8回〉

 男性主人公は、彼女が浮気するのを見て「女性に対して嫌悪感を抱くようになった」という。女子学生の肩に腕を掛け、スキンシップもする。女子学生が抵抗するが、男性は「本当は喜んでいるくせに、悪い男が引かれる理由がここにある」と笑う。男性がよく見るウェブトゥーン(ウェブ漫画)でトップ人気を誇る「外見至上主義」のエピソードの一つ。同ウェブトゥーンは「キムチ」「顔だけが取りえのX」など、さまざまな女性に対する嫌悪的表現で論議を呼んだものの、2014年から引き続き連載されている。

 韓国両性平等教育振興院の「2021性平等メディア・フォーラム」によると、ネイバーなど五つのウェブトゥーンのプラットフォームで上位50位に入る漫画から、性的差別と思われるシーンが計110カ所見つかった。

 このうち、女性を性的対象としたケースが46%(51件)と最も多かった。女性の体が誇張されて描かれ、女性主人公が性的暴行を受けるシーンが盛り込まれているものもあった。ネイバー土曜ウェブトゥーンでアクセストップを誇る「フリードロー」の最近の内容には、男子学生が女子学生の写真をこっそり撮影し、顔や体型などを評価する報告書を作成するシーンが描かれている。

 女性好みのウェブトゥーンやウェブ小説には、「フェミニスト」に対する攻撃が加えられる。男超コミュニティー(女性よりも男性の方が多いコミュニティー)では「『ユミの細胞たち』を読む女は皆フェミニズムだから探し出せ」というコメントが多くの人気を呼んだ。女性皇帝と男性側室の間のロマンスを描いたウェブ小説「ハーレムの男たち」は、「作家がフェミニストか」「コメント欄に行って攻撃しよう」といった書き込みが見られた。

 嫌悪表現にあふれるオンラインコンテンツが、若い世代に偏った性認識を植え付けかねないと指摘する声もある。ウェブトゥーン「外見至上主義」を読むという高校生のA君(17)は「最初は暴力的で扇情的な表現が多いと思っていたが、見ているうちに慣れてきた」と話した。

〈特別取材チーム〉金潤徳(キム・ユンドク)週末ニュース部長、キム・ヨンジュ社会政策部次長、卞熙媛(ピョン・ヒウォン)産業部次長、キム・ギョンピル政治部記者、ユ・ジョンホン社会部記者、ユ・ジェイン社会部記者、ユン・サンジン社会部記者


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  • ▲ウェブトゥーン「フリードロー」のワンシーン。話の展開に一切必要ない女性に対する性的描写を盛り込み、批判を浴びた。

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