「日本の1人当たりGDP、韓国を下回る可能性」

 最近急落している日本円が1ドル=140円になれば、日本の1人当たり国内総生産(GDP)が韓国を下回るとする分析が示された。また、対ドルで見た円の購買力が50年前の水準にすぎないという主張もある。

 日本の経済誌「東洋経済」は24日、一橋大学の野口悠紀雄教授の「円安で『日本が韓国より貧しくなった』衝撃の事実」と題する経済分析コラムを掲載した。野口教授は「今年の初めには1ドル=115円程度であったが、7月14日には139円となった」とし、「ほかの通貨も減価している場合が多いが、円の減価ぶりは際立っている」と指摘した。野口教授の分析によると、韓国は1ドル=1316.35ウォンの段階で、1人当たりGDPが3万1902ドル(2020年GDPに換算)なのに対し、日本は1ドル=139円の場合、3万2010ドルとなり、両国がほぼ等しくなる。円がさらに下落し、同140円になれば、韓日間の1人当たりGDPが逆転する計算となる。野口教授は「アベノミクスが始まる前の2012年の数字を見ると、日本の1人当たりGDPはアメリカと同程度であり、韓国の約2倍だった」とした。

 野口教授はまた、円の購買力を示す実質実効レート(2010年ドルを100として比較する為替レート)で見れば、円は5月に61.77で、1971年ごろとほぼ同じ水準に戻ったとしたほか、「日本人が実際に貧しくなり、日本の産業が弱くなったことを示している」と指摘した。

 「貧しい日本人」はGDPだけでなく、実質賃金水準にもはっきり表れている。経済協力開発機構(OECD)によると、昨年の平均賃金は日本が444万円、韓国が4254万ウォンだが、1ドル=140円で換算すれば、日本が3万1714ドル、韓国は3万2316ドルとなる。野口教授は「賃金については、数年前から韓国の水準が日本を上回っていたが、その差が拡大したことになる」と分析した。

 日本企業の競争力も以前ほどではない。企業の時価総額はトヨタが世界39位の2110億ドル、韓国のサムスン電子は25位の2991億ドルだ。野口教授は「では、こうした状況は、もう元に戻すことができないのだろうか? それは、今後の日本の経済政策による」とした上で、「金融緩和政策を変更して金利の上昇を認めれば、円安が止まり、円高に向かう可能性もある。ここ半年程度の経済政策が、日本の将来を決めることになる」と主張した。

東京=成好哲(ソン・ホチョル)特派員

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