【独自】「北朝鮮、核開発に2兆ウォン投入」「4年分の食糧難を解決できる額」

韓国国防研究院が報告書で明らかに
「7回目の核実験の費用は2300億ウォンを上回る可能性」
老朽化した寧辺核施設に過負荷がかかると放射能が流出し西海まで汚染

 北朝鮮が過去50年間に核開発に投入した費用は少なくとも最低11億ドル(現在のレートで約1600億円、以下同じ)から最大で16億ドル(約2310億円)に達するとの分析結果が公表された。これは北朝鮮の2500万人住民がコロナワクチンを2-3回接種できる額、あるいは北朝鮮の4年分の食料(とうもろこし)不足分を上回る額だ。近く実施が予想されている7回目の核実験にかかる費用も最大で1億6000万ドル(約231億円)以上になると見込まれている。

 韓国国防部(省に相当)の国策研究機関・韓国国防研究院(KIDA)が26日に国会国防委員会所属で与党・国民の力のシン・ウォンシク議員に提出した資料によると、北朝鮮は1970年代からこれまで6回の核実験を含むさまざまな核開発の費用として最大16億ドルを使ったと試算されている。平山のウラン精錬工場、寧辺の核燃料製造工場・再処理施設・原子炉・軽水炉などに6億-7億ドル(約870億-1000億円)、遠心分離機の製造と濃縮施設の建設などに2億-4億ドル(約290億-580億円)を投入したという。KIDAは北朝鮮の核開発費用の総額である16億ドルについて「米なら141万-205万トン、とうもろこしなら282万-410万トンを購入できる額」と計算した。米中央情報局(CIA)が推定している北朝鮮の今年の食量不足分は86万トンで、ここから計算すると4年分の食料価格に相当する額が核開発に使われたことになる。専門家は「北朝鮮は今後核開発さえしなければ慢性的な貧困や飢餓問題を解決できるはずだ」と指摘する。

 北朝鮮が今後も3-4回は追加の核実験を行う可能性も浮上しているが、1回の核実験にかかる費用は1億1000万-1億6000万ドル(約160億-230億円)のため、これを4回行うことによる追加の費用は4億4000万-6億4000万ドル(約640億-930億円)に達する見通しだ。今年1年の食糧不足分を補える費用が核開発に投入されるのだ。

 北朝鮮は核開発の費用を節減するため老朽化した寧辺核施設を無理に稼働させる可能性も考えられるという。KIDAは「寧辺の核施設に過負荷がかかった場合、放射能が流出しこれが西海まで汚染させる可能性がある」と指摘する。シン議員は「北朝鮮が核開発にこだわり、それによって多くの住民が飢えに苦しんでいる現実を国際社会に広く知ってもらい、北朝鮮住民にもこのことを知らせねばならない」とコメントした。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

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