「日本は普遍的価値観を共有する重要な隣国」…尹政権、安保戦略の基本方針を公表

「国家安保戦略」で日本・中国の順に記載
文在寅政権と差別化

 韓国大統領室が7日に公表した「国家安保戦略」には「日本-中国」の順に記載されていた。「中国-日本」となっていた文在寅(ムン・ジェイン)政権の安保戦略とは大きな違いだ。韓国大統領室のある幹部は「定められた決まりはないが、憲法と自由の価値指向点において少しでも(韓国と)近い国を(先に)配置することが基準になると思う」とコメントした。日本に関する記述の分量は3ページにわたるが、中国はわずか1ページだ。文在寅政権は外交の重点を南北関係に置き、中国との関係を非常に重視したが、尹錫悦政権は国際的な「価値観協力」を優先し、韓米日の関係強化を目指す考えを明確にしたのだ。

 韓国大統領室は米国について「普遍的価値に基づくグローバルで包括的な戦略同盟を具現」、日本については「金大中(キム・デジュン)-小渕宣言の精神を発展的に継承し、過去を直視し新たな未来を築き上げる」との考えを示した。日本関連ではさらに「韓国と日本は自由民主主義と市場経済という普遍的価値を共有しており、安全保障や経済などさまざまな分野で協力する近くて重要な隣国」とも説明した。文在寅政権は米国と「互恵的・包括的同盟への発展」を目指し、日本には「歴史を直視しながら歴史歪曲(わいきょく)や独島に対する不当な主張に断固として対応」との考えを強調していたが、これと比較すると尹錫悦政権は米国や日本との協力関係をさらに一層強化する考えのようだ。前政権は韓米日協力についても特別な記載はしなかったが、尹錫悦政権は「新たな水準へと協力のレベルを高める」ことを目標として提示した。

 尹錫悦政権は中国について「相互尊重と互恵に立脚し健全で成熟した関係」という言葉を使った。これも文在寅政権が掲げた「戦略的協力同伴者関係の内実化」とも距離を置いたと解釈できる。ロシアについては「ウクライナ侵攻に対応し、対露外交も全面的に再検討する必要性が浮上した」「戦争終結と平和回復に向けた国際協力に参加しながら、ロシアとの関係を安定して管理する」と記載されている。

 安保関係者は「文在寅政権の安全保障戦略は『韓半島-世界』の順に安保情勢を記述し対話を強調するものだったが、尹錫悦政権は『世界-韓半島』の順に情勢を分析し、同盟国や協力国との連帯を強調している」「北朝鮮問題を韓半島問題に限定するのではなく、グローバルな次元でアプローチするものだ」と説明した。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者

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