【NEWSIS】中国が8月からガリウム、ゲルマニウムの輸出規制を実施したことを受け、韓国政府はガリウムの備蓄を増やし、万一の需給障害に対処するため、関係官庁との最終協議を進めている。
産業通商資源部は近く、企画財政部、科学技術情報通信部、防衛事業庁などの関係官庁とともに、近く協議内容を盛り込んだ対応策を発表する。
中国政府は7月3日、ガリウム、ゲルマニウム関連品目の輸出に政府の承認を義務付けると発表した。ガリウムは化合物、パワー半導体などに使われ、ゲルマニウムは半導体工程用のガス生産に使われる。
産業通商資源部はガリウム、ゲルマニウムの韓国国内における保有量、需給状況、使用量などを把握するため、半導体・ディスプレーなど業種別の点検作業を行ってきた。
点検の結果、ガリウムとゲルマニウムは韓国の主要産業で生産にそれほど使用されていなかった。さらに、業界は輸入先の多角化を進めているため、韓国への影響は限定的とみられることが分かった。
ただ、産業通商資源部はガリウム備蓄の拡大を検討するなど政策的な努力を行う。中国の輸出規制がいつまで続くか予測できないため、突発的な状況をモニタリングし、先手で対応策を準備していく。
韓国鉱害鉱業公団によると、今年5月現在でガリウムは40日分を備蓄している。産業通商資源部はガリウム備蓄量をさらに増やすため、予算編成を担当する企画財政部と協議中だ。
ゲルマニウムはこれまでも備蓄を実施していないが、韓国国内での需給状況を引き続き監視していく。鉱害鉱業公団関係者は「関連法で備蓄される鉱種にゲルマニウムは含まれていない。国内需要が極めて少なく米国から輸入が可能だ」と説明した。
産業通商資源部関係者は「今月から中国の輸出規制が実施されることを踏まえ、多角的に検討している」とした上で、「サプライチェーンはリスクに備えられる仕組みをつくることが重要なので、そうした意味で政策的に準備している」と説明した。
世宗=ソン・チャミン記者