北朝鮮、85日ぶりの「軍事偵察衛星発射」も失敗…3段目分離飛行中に問題発生か

 北朝鮮が24日、軍事偵察衛星を搭載したとする宇宙発射体を発射した。今年5月31日に初めて発射を試みたが失敗してから85日ぶりのことだ。しかし、この発射体は1段目・2段目の分離時までは正常飛行をしていたが、3段目の分離飛行で問題が発生し墜落したと伝えられた。今年5月に続き、今回も宇宙発射体の発射に失敗したものだ。

 韓国合同参謀本部は同日午前3時57分、記者団にモバイルメッセージを送り、「北朝鮮は南方向に『北朝鮮が衛星打ち上げと主張する宇宙発射体』を発射した」「韓国軍は警戒態勢を引き上げ、韓米間で緊密に協力しながら万全の態勢を維持している」と述べた。

 北朝鮮が「衛星打ち上げのため」と主張する発射体の残骸(ざんがい)落下予想地点は、韓中暫定措置水域に含まれる北朝鮮南西側の西海(黄海)上の2カ所と、フィリピン東方の太平洋海上の1カ所で、1回目の発射時に残骸落下地点として発表された場所と同じだ。韓国軍は西海上に弾道ミサイルの探知・追跡が可能なイージス駆逐艦を配備するなど監視態勢に入った。

 北朝鮮は5月31日、軍事偵察衛星「万里鏡1号」を搭載した宇宙発射体「千里馬1型」を発射した。しかし、2段目のロケット点火に失敗し、全羅北道群山市於青島の西方約200キロメートルの海上に墜落した。

 北朝鮮は直ちに国家宇宙開発局名義で「千里馬1型は正常飛行中に1段目を切り離した後、2段目発動機(エンジン)の始動異常により推進力を失い西海に墜落した」と発射失敗を認めた。

 北朝鮮は今年6月16日から18日まで金正恩(キム・ジョンウン)総書記が出席した中で行われた朝鮮労働党中央委員会第8期第8回全員会議で偵察衛星の発射失敗を「最も厳重な欠陥」として挙げ、早期に再発射を成功させる意向を表明した。

 北朝鮮はその後、発射失敗の原因に挙げられたロケットエンジンの欠陥問題を解決するための実験を集中的に実施してきたという。北朝鮮は「今月24日午前0時から31日午前0時の間に人工衛星を打ち上げる」と日本政府に通知していた。

 北朝鮮が今回の発射に成功したとしても、軍事偵察衛星としての効用はほとんどなかったものとみられる。韓国軍当局は今年5月に西海に墜落した衛星体「万里鏡1号」の主要部分を引き揚げ、米国と共同調査したが、その結果、非常に粗悪で軍事的効用は全くないと評していた。

 北朝鮮のいわゆる「宇宙発射体の発射」は、弾道ミサイル技術を利用した発射を一切禁止している国連安全保障理事会決議に全面的に違反する不法行為だ。

キム・ミョンジン記者、盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

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