文政権時代に任期半ばで更迭された黄秀慶・元統計庁長、不当な統計資料提出要求を拒んでいた【独自】

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の青瓦台による不当な統計資料提供要求を当時の黄秀慶(ファン・スギョン)統計庁長が拒否し続けると、青瓦台が統計庁職員に連絡し、統計を操作したことが監査院による監査で19日までに確認された。黄元庁長は統計操作の事実を知らなかったという。黄元庁長は2018年8月、就任から1年1カ月で文前大統領に電撃的に更迭された。後任の姜信ウク(カン・シンウク)庁長は「長官の政策に良い統計を作ることで報いる」と述べ、雇用統計を直接操作したことが明らかになり、検察に告発された。

【グラフ】統計庁長交代したかと思えば、今度は統計方式変更

 監査院によれば、当時の洪長杓(ホン・ジャンピョ)経済首席秘書官をはじめとする文政権の青瓦台幹部らは任期当初の17年から統計庁に所得・雇用関連統計などの基礎資料を提出するよう要求した。統計調査対象の個人情報などが含まれた元データを要求したのだった。統計法上、資料提供は既に作成・公表された統計に限り、記録を残すなどの一定の形式と手続きによって可能だ。しかし、青瓦台の要求は合法的範囲を逸脱していた。

 黄前庁長は青瓦台の一連の要求を全て拒否した。統計庁職員にも「青瓦台に統計法に違反して資料を渡すな」という指示を繰り返し下した。統計庁職員も青瓦台経済首席秘書官室などが無理な要求を行うたびに「当該資料の提供は統計法に触れるので不可能だ」と説明する文書を送った。

 すると青瓦台は黄元庁長に対する圧力を強めた。青瓦台の首席秘書官は18年4月、黄元庁長に直接会い、「他の機関は(作成中の)統計資料の事前提供にちゃんと応じるが、なぜ統計庁だけできないのか」と迫った。当時青瓦台は韓国不動産院によるマンション価格上昇率統計を事前に受け取り、同院に圧力をかけて統計を操作していた。 

 黄元庁長は18年8月、突然更迭された。黄氏は離任式で「統計庁の独立性、専門性を最優先価値とし、バランスを取ろうと努力した」と述べた。離任式直後、メディアのインタビューに対し、「(更迭理由は)分からない。それは人事権者の考えだ。ともあれ自分は(青瓦台の)言うことをよく聞いた方ではなかった」と述べている。

 しかし、統計庁の一部職員は黄元庁長在任中から既に庁長に内緒で統計を操作していた。監査院によれば、統計庁の一部幹部は17年の文政権発足直後、青瓦台に呼び出され、「良い所得統計が出なければならない」という圧力を受けた。しかし、政権発足後最初の四半期だった17年第2四半期に統計庁の「家計所得動向」調査で2010年以後初めて家計所得が減少したという結果が出た。すると、一部の統計庁職員は加重値基準を変え、世帯所得が増加したように操作した。

 統計の計算方式を無断で変えることは違法だ。統計庁職員は17年8月、黄元庁長には既存の方式で計算された統計数値を公表するという文書で決裁を受け、対外的には操作した統計数値を公表した。青瓦台も操作された数値を受け取った。統計庁職員らは監査院の調査に対し、「黄元庁長が外部(韓国開発研究院)出身なので、新しい方式で計算したことを報告すれば統計信頼性を疑うと思い、報告しなかった」と証言したという。

 統計庁職員が無断で変更した計算方式は翌年5月の調査で問題になった。この計算方式は世帯所得は過大に見えるが、所得分配は悪化してしまうからだ。このため、統計庁職員は加重値計算方式を元に戻して作成した統計を載せ、黄元庁長に報告した。黄元庁長は計算方法が変動を繰り返したことについて、報告を受けていなかった。統計を解説する報道資料の文言も青瓦台の直接指示で修正後、黄元庁長には知らせずに配布した。

 黄元庁長は統計庁職員が自分をだましたことを監査院の調査過程で知ったという。監査院は黄元庁長が統計操作を知らなかったとみて、黄元庁長を告発対象から除外した。

キム・ギョンピル記者

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  • ▲黄秀慶元統計庁長/聯合ニュース

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