文政権時代の映画振興委、反国家団体を擁護する映画に税金をばらまいていた【独自】

「反国家団体に接触した際、統一部に申告もせず」

 しかし在日同胞北送事業の実体は、既に広く知られている。北送事業は平壌の情報機関によって企画され、日本国内における北送事業の実行は総連を通してなされた。総連は、平壌の指令を受けて1959年から84年まで25年間、9万3340人の在日同胞を北朝鮮へ送り込んだ。総連は「北朝鮮は差別のない地上の楽園」だとして在日同胞を扇動したが、万景峰号に乗った在日同胞らは、元山港に降り立つなり、自分たちが地獄に着いたことを悟った。北朝鮮当局は手紙の検閲などで日本との連絡を徹底して禁じたので、在日同胞らは総連のうその扇動にだまされ続け、自らの足で生き地獄に入っていった。日本に残った同胞らは、北朝鮮で人質同然となってしまった家族のために毎年、かなりの額を送金しなければならなかった。

 北送された在日同胞らは食糧不足、物資不足に苦しんだのはもちろん、生涯「チョッパリ」といった蔑称で呼ばれて賤民(せんみん)扱いを受け続けた。とても生きていけないと独り言でも言おうものなら、家族全員が政治犯収容所に連行され、行方不明になった。人権団体が「総連の北送事業は現代版奴隷貿易」と糾弾している理由がここにある。今年で北送64年になるが、総連はこれまでただの一度も謝罪したことがない。北送船に乗った9万3000余人とその子孫まで含めた中で、これまでに脱北に成功したのはわずか200人ということが分かっている。

 こんな映画を支援するために、映振委は韓国国民の税金を使った。当該作品の製作会社が出した交付金支援申請書には「金昌五・大阪韓統連副委員長」というような形で記載があり、反国家団体であることが明確に分かっていたにもかかわらず、映振委は支援を決定した。従北的価値観を反復注入するドキュメンタリーなのに、映像物等級委員会は、シノプシスと台本の確認を済ませても12歳以上鑑賞可の等級指定を行った。映振委が支援を行った別のドキュメンタリー作品『差別』もまた、総連傘下の朝鮮学校の話だ。

 ペ・ヒョンジン議員は「創作の自由と芸術の独立性は憲法で保障されているように、自由民主主義の核心たる基本権」としつつも「反国家団体のメンバーが大挙登場する映画に国の税金が支援されることは、また別の問題」と指摘した。

ヤン・ジヘ記者

【写真】反国家団体「韓統連」所属の金昌五氏

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲映画『私はチョソンサラムです』の広報ポスター。/写真=M&CF
  • 文政権時代の映画振興委、反国家団体を擁護する映画に税金をばらまいていた【独自】

right

あわせて読みたい