中国の西海強占、今こそ防ぐべきだ【寄稿】

6カ国の利害が関わっているにもかかわらず90%の所有を主張している南シナ海のように、中国の違法な海洋領土拡張は韓半島の西海でも進んでいる
東経124度線を一方的に引き、中間線を越えて頻繁に軍事演習
沈黙・順応で放置していたら大変なことに…西海守護の意志を行動で示すべき

 ところが中国はおよそ10年前から、ペンニョン島西側の海上を通過する東経124度線を一方的に中国軍の作戦境界線として宣布し、頻繁に海上軍事演習を実施している。中国は、韓国海軍がその線を越えて作戦を実施できないように脅し、かたくなに接近を遮断している。これは南シナ海における中国の違法占拠と似たやり方で、東経124度線を韓中の海上境界線として固めようという意図があるものと解釈される。そうした中国の意図が成功したら、西海の70%と韓中暫定措置水域のほぼ90%が中国の海になる。さらに一歩進んで、中国はEEZと防空識別圏(ADIZ)に離於島を含め、隠していた野心をあらわにした。もし離於島に韓国海洋科学基地がなかったら、中国の軍事施設が既にそこへ設けられていたかもしれない。

 こうした中国の動きに対する韓国政府と軍の対応は不透明で、生ぬるい。中国の不当な西海強占に対する韓国政府の反対の論理は明確で、強力なのかもしれないが、その論理を行動に移して海洋主権を守護しようという動きは見られない。米国が南シナ海で航行の自由を守ろうとして、中国海軍としばしば対決を繰り広げているように、韓国海軍が西海の海洋主権守護のために中国海軍と衝突を繰り広げているという話は聞いた記憶がない。中国と軍事的に向き合うのが負担だからと、中国の不当な西海強占を沈黙と順応で放置し傍観していたら、やがてこれはなじみのある先例・慣行となり、いずれは実効的支配の証拠として固められることになる。そのときになって大勢を覆そうとしたら、はるかに大きな対立と犠牲を甘受せねばならない。もし韓国政府と軍に西海を守ろうという意思があるのであれば、そのときではなくまさに今、行動に出るべきだ。

李容濬(イ・ヨンジュン)世宗研究所理事長・元外交部北核大使

【動画】西海で異例の訓練…米B1B・F22・F35Bが総出動

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲イラスト=UTOIMAGE

right

あわせて読みたい