北朝鮮 撤去した非武装地帯の監視所に兵力・重火器投入=韓国軍

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が南北軍事境界線を挟む非武装地帯(DMZ)にある監視所(GP)の復元に着手したことが27日、分かった。これに対し韓国軍当局は対抗措置を取る準備を進める方針を明らかにした。

 韓国軍当局は同日、北朝鮮軍が2018年の南北軍事合意を受けて撤去したDMZ内の監視所に兵力と重火器を投入しているとして、監視装置で撮影した写真を公開した。写真には▼北朝鮮兵が監視所を設置する様子▼詰所に無反動銃と推定される重火器を配備する様子▼北朝鮮兵が夜間に警戒勤務をしている様子――などが収められている。

 韓国軍当局がカメラや熱画像装置などで撮影したのは北朝鮮が南北軍事合意後に撤去した東部戦線の監視所だ。軍関係者は「(北朝鮮が)撤去した11カ所の監視所すべてが同様の状況」として、「24日から監視所関連施設を復元する姿が見られた」と述べた。

 韓国と北朝鮮は南北軍事合意を受け、DMZ内の監視所は北朝鮮側が約160カ所から約150カ所に、韓国側は約60カ所から約50カ所に減った。ともに監視所11カ所のうち10カ所ずつを爆破・撤去。1カ所ずつについては兵力や装備を撤去したが、建物は保存した。

 韓国は今月22日、北朝鮮の軍事偵察衛星の打ち上げを受け、南北軍事合意の効力を一部停止し、軍事境界線付近での偵察・監視活動を再開した。北朝鮮は23日、合意によって中止していた軍事的措置を復活させるとして、同合意の事実上の破棄を宣言した。監視所に兵力を投入したのは同合意の破棄宣言を受けた措置で、軍事境界線付近で緊張を高める狙いがあるとみられる。

 一方、韓国軍の別の関係者は監視所復元以外の北朝鮮軍の動向について、「砲門を開いた(北朝鮮の黄海の)海岸砲が多くなった」と明らかにした。国防部関係者は「(1カ所あたり)一桁から二桁へと数倍増えた」と伝えた。

 国防部は「(北朝鮮が南北軍事合意に基づいて中止していた)一部の軍事措置を11月24日から復活させる措置を強行している」として、「対応措置を即時に履行できるよう万全の準備を整えていく」との方針を表明した。そのうえで、「北の挑発行為を注視しながら強化された韓米連合防衛体制に基づき、北のいかなる挑発にもすぐに、強力に、最後まで報復できるよう万全の対応態勢を整えている」と強調した。

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