ここ数日共に民主党内で起きている舌打ちを禁じ得ない出来事【1月11日付社説】

 韓国の進歩(革新)系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表がまだソウル大学病院に入院中だった今月9日、親李在明系の中心的議員とやりとりしたメッセージの内容が公開された。二人は、セクハラ発言をした親李在明系のヒョン・グンテク氏の懲戒問題を話し合っていた。李代表が、ひどい扱いはするなという趣旨のことを言うと、中心的議員はすぐに「公認外し」から「厳重警告」へと措置を修正した。ほぼ180度の変更になったのだ。党レベルの倫理監察、最高委員会での懲戒の議論などを全て飛び越え、党代表と側近議員の二人で懲戒の水準を事実上決定したのだ。この議員は、党員の懲戒を話し合ういかなるポストにも就いていない。今回の一件を見ると、「民主党が李在明の私党になった」という批判に誤りはないようにみえる。

【写真】セクハラ発言ヒョン・グンテク氏公認外しの可能性に李在明代表「ひどすぎるんじゃないですかね?」

 ヒョン氏は最近、同党の政治家の女性秘書に向かって、口にはできないセクハラ発言を行ったことが判明した。民主党女性委員会が厳重な措置を要求するほどだった。民主党は党憲・党規において、性犯罪は公認から排除するよう定めている。李代表にとって、この党憲・党規はあってないようなものだ。李代表はこれまで、自分にとって少しでも不利な党憲・党規は全て変えてきた。起訴されても代表ポストを維持できるようにし、いわゆる「ケッタル」(李在明代表の熱烈支持者)の権限を強化し、他の党員らが自分に挑戦する気すら起きないようにした。党憲・党規があっても、無視すればそれまでだ。

 この日、非李在明系の議員3人は「非正常な政治へと引っ張っていくことは、良心上、もうできない」として離党した。鄭大哲(チョン・デチョル)、文喜相(ムン・ヒサン)といった重鎮も党運営の非民主的形態を何度も指摘した。当選5回のイ・サンミン議員は離党して保守系与党「国民の力」に合流した。李洛淵(イ・ナクヨン)元代表も11日に離党する。ところが、誰よりも李代表を批判し、非李在明系議員3人と行動を共にすると言っていた尹永燦(ユン・ヨンチャン)議員は突然、党残留を宣言した。尹議員は、選挙区でヒョン・グンテク氏の挑戦を受けていたのだが、ヒョン氏関連で李代表がやりとりしたメッセージが暴露され、ヒョン氏に代わって自分が公認を受ける可能性が生じるや、態度を一変させた。非李在明系の離党に批判的な人々すら、彼の変節にはあきれている。

 韓国の政党は、国民の税金で運営費を補助される代わりに、民主的内部秩序を維持する義務がある。「党内民主主義」は、単なるスローガンではなく法に定められたもので、各党は必ず守らねばならない。国会議員は、自らの金バッジの維持ではなく国と国民への奉仕を責務とする。そうした点において、民主党でここ数日起きている事件には舌打ちさせられる。

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  • ▲ヒョン・グンテク民主研究院副院長。/NEWSIS
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