二審も実刑判決の曺国元法相、反省や謝罪はなく4月の総選挙出馬を宣言【2月9日付社説】

 曺国(チョ・グク)元法務部(省に相当)長官(58)に対して一審に続き二審でも懲役2年の実刑が宣告された。裁判長は減刑しない理由として「被告は犯行を認めることも、反省もしなかった」と指摘した。曺被告は同日判決が宣告された後も謝罪などはせず「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権の過ちを正すことに力を尽くすことで謝罪に代えたい」とコメントした。

 曺被告は謝罪には応じず「恐れを抱きつつも新たな道を進みたい」と述べ、事実上総選挙への出馬を宣言した。曺被告は美辞麗句を飾り立て自らの出馬の意思を明確にはしていないが、最終的に国会議員に当選し政治的に免罪符を手にしたい意図があることは誰もが理解している。もし国会議員に当選し、国会法制司法委員会所属となった場合はその時点で進行中の自らの裁判に影響を行使することも考えられる。

 曺被告は息子の入試に利用するためソウル大学インターンシップ証明書を偽造し、息子が通っていた海外の大学のオンライン試験を代わって受けた。娘の医学専門大学院入試の際には虚偽のインターン確認書と虚偽の東洋大学表彰状を提出した。青瓦台民政首席だった時は政界から請託を受け、柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市副市長に対する青瓦台特別監査チームによる監察をもみ消した。これらの容疑は全て一審と二審で有罪と判断された。

 曺被告は大学教授だった当時、SNS(交流サイト)上の活動を通じて著名人の一人となったが、法務部長官人事の検証で数々のネロナムブル(私がやったらロマンス、他人がやったら不倫。ダブルスタンダード)が明らかになった。曺被告の容疑は法務部長官に任命される前からすでに知られ始めたが、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は無理に長官に任命し、国内での対立を招いた。これだけでも曺被告は国民に謝罪すべきだった。ところが懲役刑が宣告されたその日に国会議員選挙への出馬を宣言したのだ。

 現在野党・共に民主党では不正を隠せなくなった人物が選挙に出馬するいわゆる「防弾」がパターン化しているようだ。「党大会での現金バラマキ事件」で身柄を拘束された宋永吉(ソン・ヨンギル)前代表も服役中に「政治検察解体党」を立ち上げた。蔚山市長選挙介入事件で一審で当選無効が宣告された黄雲夏(ファン・ウンハ)議員も次の選挙に出馬するだろう。大庄洞事件やサンバンウル不法対北送金事件などで容疑が解消されていない李在明(イ・ジェミョン)代表は大統領選挙で敗北した直後、国会議員選挙に出馬し不逮捕特権を悪用している。その李代表は衛星政党を立ち上げ曺被告のような人物が国会議員になれる道を開いた。防弾の悪循環を断ち切ることができるのは結局国民しかいない。

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  • ▲娘と息子の不正入学への関与や青瓦台(韓国大統領府)監察もみ消しなどの容疑で二審ソウル高裁で実刑が宣告された曺国(チョ・グク)元法務部長官。2月8日撮影。/コ・ウンホ記者

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