懲役2年の曺国代表の党に懲役3年の黄雲夏議員が参加…大荒れの選挙戦【3月9日付社説】

 黄雲夏(ファン・ウンハ)議員が8日、進歩(革新)系最大野党「共に民主党」を離党して、同じく進歩系の新党「祖国革新党」に入党した。黄議員は蔚山市長選挙介入事件により一審で懲役3年の刑を言い渡された人物だ。民主党は黄議員を公認から外す方向で検討していた。すると黄議員は「党指導部の負担を減らしてやりたい」と不出馬を宣言した。ところがそれからわずか11日で離党し、事実上、出馬を宣言したのだ。

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 黄議員は「政権審判のために決心した」と言うが、祖国党が高い支持率を見せたので、これに便乗して国会議員をもう一度やってみたいという目的があるのだろう。「民主党からの出馬が難しいので祖国革新党の比例代表で出ようことではないのか」という質問に対し、黄議員は「党の意見がある」と答えた。させてくれるのであればしたい、という意味だ。黄議員の合流で、祖国革新党は国庫補助金までもらうことになった。

 黄議員は、4年前の総選挙でも出馬が問題になった人物だ。当時、既に蔚山市長選挙介入事件で起訴された状態だった。黄議員には、蔚山警察庁長として相手党の市長に対し「請負」で捜査を行った、という疑いがあった。起訴されたら、辞表は受理されない。辞表が受理されない現職警察官の選挙出馬が可能なのかという疑問が持ち上がったが、金命洙(キム・ミョンス)院長率いる当時の大法院(最高裁に相当)は黄氏の出馬を許容した。黄議員は大田で当選し、一審の裁判は起訴から3年10カ月を経てようやく判決が出た。裁判部は「警察組織と大統領秘書室の公的機能を、自分たちの政治的利益のため私的に利用したものであって、選挙制度と国民の参政権を脅かす重大犯罪」と判示した。選挙制度と韓国国民の参政権を脅かした人物が、国会議員に当選し、4年の任期を全うした。任期中に懲役3年の刑を言い渡されたが、法廷拘束は行われなかったので、また国会議員をやりたいという。これでも、何ら制裁はない。準連動型という異常な選挙制度のおかげで、金バッジを付ける可能性もあるという。これが正常な国なのか。

 かつては公職者たる者、起訴されただけでも謹慎するのが慣例だった。ましてや、懲役を言い渡された人物が選挙に飛び込むというのは想像すらできなかった。しかし黄議員以降、検察や警察など一線で公権力を執行していた人々が露骨に政治へ介入し、そのせいで受けることになった懲戒を「勲章」にして出馬し、公認を受けることが日常になった。

 そんな人々が最近、祖国革新党に集まっている。「尹錫悦(ユン・ソンニョル)検察総長追い出し監察」で最近法務部(省に相当)から解任懲戒を受けた朴恩貞(パク・ウンジョン)元検事が「人材」として迎え入れられた。金学義(キム・ハクイ)元法務部次官に対する虚偽の出国禁止命令に関与した容疑で起訴された車圭根(チャ・ギュグン)元出入国・外国人政策本部長と李圭原(イ・ギュウォン)検事も、入党するという。同党は、まず代表からして、入試不正などの罪により控訴審でも懲役2年の実刑を言い渡されている。祖国党は犯罪容疑者の団体だと言っても、あながち間違っていない。

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  • ▲曺国・祖国革新党代表と黄雲夏議員が8日午前、ソウル市汝矣島の同党党舎で開かれた黄議員入党式典で握手をしているところ。2024.3.8/ニュース1、ソン・ウォンヨン記者

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