高くて手が出ないリンゴ 卸売価格は昨年の2.2倍=韓国

【ソウル聯合ニュース】韓国でリンゴとナシの価格が高騰している。韓国農水産食品流通公社(aT)によると、12日のリンゴの卸売価格は10キロ当たり9万1700ウォン(約1万300円)で1年前の2.2倍だった。ナシの卸売価格も15キロ当たり10万3600ウォンの高値となっている。小売価格は政府の価格抑制策でいくらか抑えられているが、今後はさらに値上がりする可能性もある。

 リンゴの卸売価格は1月17日に9万740ウォンと初めて9万ウォンを突破し、同月29日には9万4520ウォンまで上がった。9万ウォン前後で推移した後、3月6日以降は連続で9万ウォンを上回っている。

 ナシの卸売価格は今月7日に10万120ウォンと2年7カ月ぶりに10万ウォンを超え、11日と12日も10万ウォンを上回った。

 大型スーパーや伝統市場での小売価格も1年前に比べ大幅に上がった。

 12日にリンゴ10個当たりの小売価格は3万97ウォンで、1年前に比べ30.5%上昇した。平年比でも31.0%高い。ナシ10個当たりの小売価格は4万2808ウォンで、前年比50.1%、平年比15.9%、それぞれ上がった。

 2月の前年同月比の物価上昇率をみると、リンゴは71.0%で過去3回目の70%超えとなった。ナシは61.1%と、24年5カ月ぶりの高水準を記録した。

 ただ、今月12日のリンゴの卸売価格は1カ月前に比べると2.3%、ナシは17.3%の上昇にとどまった。政府が価格抑制策を取っているためだ。

 農畜産物価格の抑制に向けた政府の今年の予算は1080億ウォン。すでに旧正月(今年は2月10日)需要に合わせ690億ウォンを投じており、来月までには計920億ウォンと、上限に近づく見通しだ。

 昨年は気象災害の影響などにより、リンゴとナシの生産量がそれぞれ前年比30.3%、26.8%減少し、規格外品も増えた。

 政府が先月の旧正月前に市場に大量供給したことで、貯蔵量も減っている。輸入が必要との意見も上がるが、輸入検疫の問題もあり、すぐに対応することは難しい。

 こうした状況からリンゴとナシの小売価格は再び上がる可能性がある。これらの果物の代わりとなりそうなマクワウリやトマトなどの出荷も十分ではない。

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