金与正氏のバッグ ディオール「当社商品のようだが確認難しい」

【ワシントン聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長が昨年9月のロシア訪問時に海外高級ブランドとみられるバッグを持っていたことを巡り、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会がフランス高級ブランドのクリスチャン・ディオールに問い合わせをしていたことが20日、北朝鮮制裁委専門家パネルの年次報告書で分かった。ディオールの回答は、自社の商品のように見えるものの見極めは難しいとする内容だった。国連安保理の制裁決議では北朝鮮へのぜいたく品の輸出を禁じている。

 金与正氏は昨年9月、金正恩氏に同行してロシア極東を訪問した。北朝鮮メディアが公開した戦闘機の製造工場視察の写真には、黒色のバッグを持つ金与正氏が写っていた。

 このバッグについて、ディオールの商品と推定されるという報道があったことから、安保理北朝鮮制裁委は同年10月16日、ディオール側に質問書を送った。安保理の北朝鮮制裁決議が定めるぜいたく品輸出禁止に違反するかどうかを確認するためだ。

 ディオールは11月16日付の返信で「当社のハンドバッグのモデルと強く推定されるが、(写真だけでは)本物なのか確認は難しい」とした。具体的なモデル名にも言及した。2019年2月に発売した商品で、定番モデルの一つとして世界中で販売しており、特に欧州と米国でよく売れているという。

 ディオール商品の北朝鮮への供給ネットワークに関する質問には「ディオールは北朝鮮へのぜいたく品販売・移転などの禁止規定を順守する」としながらも、供給ネットワークは分からないと回答した。北朝鮮の関係者がこのバッグをどのように入手したか知り得ないと述べた。ディオールの制裁規定順守の努力にもかかわらず、転売の形で移転される商品まで完全に統制することはできないとし、限界があることを吐露した。

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