23年の財政状態示す収支 税収減で赤字膨らむ=韓国

【世宗聯合ニュース】韓国政府が11日の閣議で議決した2023会計年度(1~12月)の国家決算報告書によると、実質的な財政状態を示す管理財政収支は昨年87兆ウォン(約9兆9400億円)の赤字を計上した。新型コロナウイルス対策の一時的な支援措置が終了し、23年の赤字幅は前年度より30兆ウォン縮小したが、予算案発表時の見通し(58兆2000億ウォンの赤字)に比べると約29兆ウォン膨らんだ。国内総生産(GDP)比の管理財政収支赤字も3.9%と、当初の見通しを1.3ポイント上回った。景気低迷による大幅な税収減が響いた。

◇管理財政収支が悪化

 管理財政収支は、歳入総額と歳出総額の差し引き(統合財政収支)から国民年金など保障性の4大基金の収支を除いたもので、その年度の財政状況を示す指標として活用される。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は22年の発足と同時に財政健全化を図るとし、管理財政収支の赤字をGDPに対し3%以内におさめることを柱とする財政準則を掲げた。

 だが23年の管理財政収支は当初の見込みより大幅に悪化した。企画財政部の担当者は「国民の暮らしの回復・経済活力を支援するため積極的に財政出動した結果」と述べた。

 政府は昨年発表した国家財政運用計画で、GDP比の管理財政収支赤字を今年は3.9%、来年以降は3%以内で管理すると説明していた。だが物価高や内需不振といった懸案に加え、少子高齢化対策などの課題も山積する現実を踏まえると、財政収支の速やかな改善を期待するのは難しい。今年の赤字はGDPの4%を超える可能性もある。

◇税収が大幅減少

 23年の歳入総額は573兆9000億ウォン、歳出総額は610兆7000億ウォンで、統合財政収支は36兆8000億ウォンの赤字だった。前年度より赤字は27兆8000億ウォン減少したものの、予算案に比べ約23兆ウォン大きい。GDP比の赤字も1.6%で、予算案より1.0ポイント高かった。

 不況が響き、税収は497兆ウォンと前年比77兆ウォン(13.4%)減少した。このうち国税収入が344兆1000億ウォン(前年比51兆9000億ウォン減)、税外収入が152兆9000億ウォン(25兆1000億ウォン減)だった。

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