惨敗の与党トップ韓東勲委員長が辞任…首相と大統領秘書室長も辞意表明 韓国総選挙

4・10総選挙惨敗を受け与党・国民の力の今後は
大統領室も首席以上のスタッフが辞意を表明

 尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は11日、第22代韓国総選挙での与党・国民の力惨敗について「選挙で表れた国民の意向を謙虚に受け入れ、国政を刷新し経済と民生安定に向け最善を尽くしたい」と述べた。韓国大統領室の李官燮(イ・グァンソプ)秘書室長がブリーフィングで明らかにした。この日は韓悳洙(ハン・ドクス)首相、大統領室の李官燮秘書室長や成太胤(ソン・テユン)政策室長など首席秘書官クラス以上のスタッフ全員が尹大統領に辞任の意向を伝えた。国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長も同日委員長を辞任した。総選挙惨敗の責任を取る形で政府と与党の幹部らが次々と辞意を表明したため、与党内では今後しばらく混乱が続きそうだ。

【写真】辞意を表明した韓悳洙首相と李官燮・大統領秘書室長

 韓国大統領室のある幹部は「国民の意向を受け入れるのなら国政の刷新は当然で、国政の刷新にはまず人的刷新を行わねばならない」と述べた上で、韓首相と大統領室首席以上の辞意表明を伝えた。韓首相が辞意を表明したことで、一部の部処(省庁)の長官らも辞任する可能性が高い。尹大統領も韓首相、李官燮秘書室長、韓五燮(ハン·オソプ)政務首席、李道雲(イ·ドウン)広報首席の交代を前向きに検討しているという。上記の大統領室関係者は「首相や秘書室長などについてはすでに後任人事の検討に入った」「一部は交代が早まる可能性もある」と伝えた。一方で昨年12月に任命された成太胤政策室長は留任の可能性が高く、また国家安保室は今回交代の対象から除外された。

 第22代総選挙で政権与党の国民の力と衛星政党の国民の未来は108議席しか獲得できなかった。野党・共に民主党と衛星政党の共に民主連合は175議席で圧勝し、祖国革新党12議席、改革新党3議席、新しい未来と進歩党は1議席を獲得した。

 韓東勲非常対策委員長はこの日ソウル汝矣島の国民の力本部で会見を開き「わが党は国民の選択を受けるには不十分だった。代表して国民に謝罪する」「国民の意向を厳粛に受け入れ、まず私自身から深く反省したい」と述べた。その上で韓委員長は「私は選挙結果について全ての責任を取り委員長を辞任する」「どうすれば国民の愛情を取り戻せるか考えていきたい」との考えも示した。「総選挙敗北に大統領室と共同の責任があると考えるか」との質問に韓委員長は「私の責任だ」「国民の支持が得られなかったのであり、その責任は完全に私にある」と答えた。韓委員長は今後の計画について「どこで何をするにしても、国のことを心配しながら過ごしたい」と述べた。

 韓委員長を支え候補者公認の実務を担当した国民の力の張東赫(チャン·ドンヒョク)事務総長、朴正河(パク・チョンハ)首席報道官、非常対策委員のパク・ウンシク氏、ユン・ドヒョン氏、チャン・ソジョン氏らもこの日辞任の意向を表明した。この結果、韓委員長が韓国法務部(省に相当)長官を辞任し発足した「韓東勲非常対策委員会」はわずか3カ月で終わりを告げることになった。与党内からは「まずは臨時の執行部を立ち上げ、党を取りまとめた上で第22代総選挙の当選者を中心に新たな執行部発足に向け議論が行われる可能性が高い」との見方が相次いでいる。与党のある幹部は「総選挙敗北については尹大統領も頭を痛めている」「大統領も政府・与党の正常な運営のためさまざまな意見を聞いている」と伝えた。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者、キム・ドンハ記者

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  • ▲ソウル汝矣島の国民の力本部で辞任会見を行う韓国与党・国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長。11日撮影。/李徳薫(イ・ドクフン)記者
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