韓国の作家、韓江（ハン・ガン）＝46、写真＝の長編小説『菜食主義者』英語版が、ニューヨーク・タイムズ（NYT）紙の選ぶ「2016年最高の0冊」にランクインした。今年、英国のマン・ブッカー国際賞を受賞した同作は、これまで34カ国で翻訳され、米国では今年1月に出版された。NYT紙は毎年およそ100作品を審査し、小説5編と非小説5編からなる「今年の10冊」を選ぶが、ここに韓国の小説が入ったのは初めて。

　NYT紙は『菜食主義者』について「夫から『どこから見ても全然目に留まらない』と言われるほど平凡に見える主婦が、悪夢を見た後、菜食主義者になるという、胸騒ぎのする小説。その主婦の克己が次第に過酷かつ超現実的なものへと変わっていく中で、服従と転覆を取り扱う作家の腕前が、寓話の形を取らせた」と評した。