康京和長官に会い米の単独主義批判

自身はTHAAD報復言及せず米の中距離ミサイル韓国配備に反対

会談、予定より1時間以上長引く

「『康京和外交』はTHAAD報復撤回など正式に要求せず低姿勢」との声も

 中国の王毅・外交担当国務委員兼外相が4日に訪韓し、「世界の安定と平和にとって最大の脅威は、単独主義(ユニラテラリズム)が国際秩序を破壊し、覇権行為で国際関係の準則に挑むことだ」と述べた。訪韓の第一声で米国のトランプ政権の自国優先主義政策を批判したものだ。

 王毅外相は同日午後、ソウル市内で行われた康京和(カン・ギョンファ)外交部長官との会談で、「中国は終始一貫して独立的かつ自主的な平和外交政策を遂行してきた。大国であれ小国であれすべて平等であることを主張し、国際関係の民主化を主張している」として、上の通り述べた。同外相はまた、「中国は大きな国が小さな国をいじめることに反対し、自分の力だけを信じ弱い者いじめに反対し、他人に強要することに反対している。もちろん、他国の内政に干渉することも反対する」と言った。

 しかし、王毅外相は同日の会談の冒頭発言で、2016年から中国が韓国の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備に全方位的報復措置を加えている状況については言及しなかった。外交関係者の間では「韓国にTHAAD報復『収拾』を条件としてTHAAD追加配備、韓米日軍事同盟など屈辱的な『三不誓約』を無理強いした中国が、『小さな国をいじめることに反対する』と他人事(ひとごと)のように言っている」と指摘する声も上がっている。

 韓国外交部によると、康京和長官と王毅外相の会談は同日午後4時15分に始まり、6時30分に終わったという。予想より1時間余り遅れて終わったのだ。外交部は当初、会談を5時15分ごろに終え、ソウル市竜山区漢南洞にある外交部長官の公館に移動して6時30分ごろから王毅外相と夕食会を行う予定だった。しかし、会談が長引き、夕食会も遅れて開催された。外交部は会談の結果を説明する記者懇談会も同日午後5時30分ごろから開こうとしていたが、最終的には取りやめとなった。双方の間でTHAADや北朝鮮の核など敏感な事案に関して協議が行われ、決められた時間を大幅に越えたのではとの見方もある。

 王毅外相は会談を終えて外交部庁舎を出た時、会談が長引いたことについて、「協力強化のために協議する事案が多く、合意も多く成し遂げた」と語った。韓国外交部当局者も「双方がさまざまな問題をじっくり話し合ううちに(会談が)長くなった」と説明した。

 王毅外相は会談で、不快感を抱いている話をいくつかしたという。同外相は「韓国は米国の中距離ミサイルを配備してはならない」という考えを伝えたとのことだ。米国が中距離ミサイル配備について韓国側と今も本格的な話し合いをしていない状況で、先に警告メッセージを出したのだ。王毅外相は慶尚北道星州郡に一時的に配備されたTHAADについても「正式配備」は駄目だという考えを伝えたという。外交消息筋は「王毅外相はこれまでミサイル配備反対など、中国政府が公に表明した問題について、康京和長官にもあらためて強調した。王毅外相が言った『協力強化のための協議事案』とは、韓米間の安保協力事項とぶつかるものだ」と語った。

 康京和長官は同日、王毅外相に「限韓令などTHAAD報復の完全撤回」を要求しなかったことが分かった。康京和長官は「両国関係は発展していかなければならない」として、限韓令解除要求を遠回しに要請したという。しかし、外交関係者らは「中国はミサイル配備反対などで韓国に対して露骨に圧力を加えているが、韓国は中国の不当な報復措置についてろくに抗議できず、低姿勢で要請しているかっこうだ」との指摘が出ている。韓国政府が2017年10月に「三不」を誓ったが、それから2年が経過した今も中国が限韓令を解除していないことについて、より積極的に指摘する必要があるということだ。NEAR財団のチョン・ドック理事長は「王毅外相の訪韓はもろ刃の剣のようだ。王毅外相に続き習近平国家主席の訪韓時に限韓令が解けるかもしれないが、逆に韓国に対する中国の通商・安保圧力が今後いっそう露骨で強圧的になる可能性がある」とした。

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