両江道では国境でも内陸でも食料が手に入らず幹部らからトウモロコシ5キロを強制徴収

「コロナよりも餓死者の方ががもっと多いだろう」

 北朝鮮が武漢コロナ遮断のため中朝貿易および密輸まで遮断したのに続き、内部では封鎖レベルの移動禁止令を下したことで、一部地域では食料が手に入らず、飢え死にする住民が発生していることが17日までに分かった。制裁の長期化に伴う「基底疾患」(経済難)に疫病まで流行していることで、北朝鮮経済の耐久力が限界の状況に達したのではないかとの観測も出ている。

 北朝鮮内部の状況に詳しい消息筋はこの日「北朝鮮は公式な貿易と密貿易のいずれも遮断している上に、地域間の移動もストップさせ市場まで統制したことで、食料など生活必需品が不足している地域が少なくない」「両江道恵山などの国境地域はもちろん、内陸でも食料がないため飢え死にする事例が続出している」と伝えた。

 最近、北朝鮮では食用油、米、小麦粉、砂糖といった食料やペンキなどの生活必需品を中国から輸入できず、価格が大きく高騰しているという。武漢コロナの流入を防ぐため北朝鮮による国境封鎖が40日以上続いたことが影響しているようだ。北朝鮮の市場の物価を定期的に追跡してきた北朝鮮専門メディア・デイリーNKによると、米1キロの価格は2月27日の時点で平壌で5300ウォン、新義州5310ウォン、恵山5540ウォンで、国境封鎖(1月)前と比べて20%ほど上がっていることが分かった。

 上記の消息筋は「中国はコロナ事態でしばらく中断していた中国国内の脱北者北送を最近になってまた再開したが、公式の貿易と密輸は今なおストップしている」と伝えた。今年1月の国境封鎖は北朝鮮が行ったが、今はコロナの感染拡大を押さえ込んだ中国の方がより積極的に北朝鮮との貿易や密輸を遮断しているようだ。

 北朝鮮内部では封鎖レベルの移動禁止措置が行われていることで、市場などでの経済活動が大きく萎縮しているという。一部農村地域では昨年分配された食料が底を突き、食事ができない家庭が続出し、農民たちは農繁期にもかかわらず仕事ができず、農作業に支障が出ているようだ。

 上記の消息筋は「焦りだした北朝鮮当局が各機関や団体の幹部らから1人当たりトウモロコシ5キログラムを強制的に徴収し、緊急の救済に乗り出すしかないほど食糧事情が大変だ」と説明した。北朝鮮は幹部らから徴収したトウモロコシを人民班(20-40世帯)ごとに10キロずつ分け与えているが、分配を受けた住民らは「人間をもてあそんでいる」として当局を非難しているという。北朝鮮内部では「コロナ事態が長期化した場合、コロナで死ぬ住民よりも飢え死にする住民の方が多くなるだろう」といった言葉も出る状況だ。

 最近、北朝鮮当局が高位層の不正や腐敗の清算運動を行っていることも、動揺する民心収拾策の一環と分析されている。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党中央委員会第1副部長が中心となってこの作業を行っているという。

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