MBC「尹錫悅検察総長の側近と通話云々」

チャンネルA記者、柳時敏氏の不正を追及

「チャンネルA『MBCは隠しカメラで不正と無関係な取材、背景が疑わしい』」

 MBCニュースが先月31日、金融詐欺罪で収監されているバイオ企業シンラジェンの元大株主イ・チョル氏(元バリューインベストメントコリア代表)が最近「チャンネルA法曹チーム記者が、尹錫悅(ユン・ソクヨル)検察総長の最側近幹部と電話した」として「(その記者が)シンラジェンの行事で講義したことのある柳時敏(ユ・シミン)氏(廬武鉉〈ノ・ムヒョン〉財団理事長)の不正を暴露せよと言った」との情報を提供してきた、と報じた。シンラジェンの「未公開株式情報利用」取引に関わっている与党勢力の人物たちの名前を出せと圧迫したというわけだ。取り沙汰された検察幹部は、報道内容を全面的に否定した。

 MBCの番組「ニュースデスク」は同日、イ・チョル元代表から先月17日以降4通の情報提供の手紙を受け取ったとした上で、手紙に「チャンネルAのイ某記者が最近、名前を言えば誰でも分かる現職検事長との親交をちらつかせ、家族が傷つかないようにしてやるとの条件で、柳時敏氏を問題に絡められるよう協力してほしいと言ってきた」との内容が書かれていると報じた。MBCはまた、イ記者がイ・チョル元代表の知人に会った席で、該当の検事長との電話通話の音声記録を読み上げたと報じた。この検事長がチャンネルAの記者に「メディアで(シンラジェンの事件を)たたいてみろ。当然、反応があって捜査にも役立ち、双方(検察とメディア)にとって役に立つだろう」と話したというわけだ。

 チャンネルAの記者に会ったイ・チョル元代表の知人は、MBCに対し「該当の検事長との電話の録音音声も記者が聞かせてくれたが、その声は明らかに私が記憶している〇〇〇検事長だった」として「検察とメディアが望んでいる名前を出すよう強要されているような感じだった」と話した。

 チャンネルAは、MBCの報道直後に放送されたニュース番組の終わりに「社会部のイ某記者がイ・チョル元代表側から『検察から善処する(刑を軽くする)という約束を取り付けてほしい』とお願いされたという事実を把握し、即座に取材の中断を指示した」として「情報源との対応に問題があったかどうか、真相を調査中」と説明した。さらに「MBCは、検察に善処の約束を要求した情報源とチャンネルAの記者が会う場面を隠しカメラで撮影し、取材スタッフから記者との会話を録音したものを入手して報道した」として「MBCが、問題の本流であるシンラジェン事件の政官界関連疑惑と関係のない取材に執着した意図と背景が疑わしい」と主張した。

 MBCの報道で、チャンネルAの記者と電話で話したと報じられた検事長は「シンラジェン事件の捜査を担当しておらず、捜査状況も分からない。メディアに捜査状況を伝えたり、質疑したことと同じ内容の会話をしたりした事実は全くない」として「『録音ファイルは存在するはずがないため、報道する前に私の声に間違いないのか必ず確認するようお願いする』との立場をMBCにも事前に伝えた」と話した。

 しかし、同日MBCの報道が出た約4分後、崔康旭(チェ・ガンウク)元青瓦台(韓国大統領府)公職紀綱秘書官はフェイスブックに「MBCニュースデスクが検察とメディアの癒着をあばく大スクープを放った」として「ストロー(該当の検事長)は1か所だ。誰でもみんな知っている、まさにあいつ」と書き込んだ。崔元秘書官が所属する与党系「開かれた民主党」も、即座に声明を出し「法務部長官は報道で言及された検事長などについて、直ちに監察に着手せよ」と主張した。

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