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 結婚を約束した日本のやくざが巨額の現金を持ってくることを前提として、知人を通じて金銭を借り入れた後、返済しなかったとして詐欺罪で起訴された女性Aさん(67)控訴審で、ソウル東部地裁は今月14日、一審の罰金刑を破棄し、無罪を言い渡した。

 Aさんは2016年、京畿道金浦市のオフィステル(住居兼オフィス物件)の工事現場で知人を通じ、Bさんに「日本のやくざと結婚するつもりだが、その人物が日本から200億ウォン(約17億5,000万円)を韓国に持ち込む。50億ウォンを先に持ってくることになっているが、(当面の)経費が必要なので貸してもらいたい」と持ちかけた。

 Bさんは話を信用し、同年8月から11月まで8回にわたり、Aさんの口座に436万ウォンを送金した。

 Aさんとやくざが実際に会っていたのは事実だが、そのやくざが日本から実際に50億ウォンを持ち込むことはなかった。また、Aさんには特に財産がなく、借りた金銭を返済する意思や能力もなかった。Aさんはやくざからの送金の一部を生活費と罰金納付に充てた。

 一審はAさんに罰金300万ウォンの刑を言い渡したが、Aさんは刑が重過ぎるとして控訴していた。

 二審は一転して無罪判決を下した。ソウル東部地裁は「被告に他人をだまして財物を奪おうという犯意があったとは言いにくく、それを認定する根拠がない」と判決理由を説明した。また、Aさんがやくざにだまされただけでなく、BさんもAさんがやくざから巨額の金銭が入ると言ったことだけで金銭を貸したわけではないと判断した。

 ソウル東部地裁は「Aさんがやくざと長期間やりとりしたメッセージの内容によれば、Aさんが結婚を前提にやくざと会い、相手にだまされて金銭を貸したところ、返してもらえなかった事実が認められる」とし、「AさんがBさんに告げた言葉はうそだとは言えない」と指摘した。

 ソウル東部地裁はまた、「被害者が警察の聴取で語ったところによると、『やくざと結婚し、200億ウォンを韓国に持ってくる』という(Aさんの)言葉がAさんに金銭を貸した直接理由ではなかったとみられる」とも指摘した。Bさんは警察の聴取に対し、「Aさんがカネを必要としていたからカネを送り続けたわけではない。自分は障害者で働き口がない状態だったが、働けると思って、カネを送り続けたものだ」と話していた。

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