韓国の造船3社がカタールから23兆ウォン(約2兆600億円)規模のLNGタンカー建造を受注したというニュースを全世界のメディアが報じた。日本メディアが「日本が負けた」と報じ、つらい心情を吐露する一方、中国は「韓国のLNGタンカー独占を切り崩す」と自信を見せた。

 カタールのニュース専門局、アルジャジーラは2日、過去最大のLNGタンカー建造計画で、韓国の大宇造船海洋、現代重工業、サムスン重工業がカタール国営石油会社のカタール・ペトロリアムと2027年まで造船所の生産能力を確保する「スロット契約」を結んだと伝えた。英フィナンシャル・タイムズも「新型コロナウイルスの大流行で打撃を受けた造船業界にとって一筋の光のようだ」と報じた。

 1980年代にLNGタンカー市場を掌握していた日本も韓国勢の受注を伝えた。日本経済新聞は2日、「韓国勢が受注する契機となったのが、2019年1月に開かれた両国の首脳会談だった」とした上で、「来韓したカタールのエネルギー相に各社のトップが自ら造船設備の技術力を売り込んだ。その後は現代重工業、大宇造船海洋、サムスン重工業の3社が水面下で交渉を続け、大型受注の獲得につなげた」と分析した。

 そして、日本の造船業界関係者の発言を引用し、LNG市場から締め出されたつらい心情を吐露。「韓中勢に比べて日本企業は一度に複数隻を受注できる体制が整っていない。日本勢では川崎重工などが参戦したものの、受注を逃したもようだ。国内最大手の今治造船と三菱重工が設立したLNG船の共同事業会社も、ここ数年は受注がなく『形骸化している』とされる」と伝えた。

 日経は「高い技術力が求められるLNG船の受注競争で日本勢は敗れ、世界首位の名を賭けた韓国勢と中国勢の頂上決戦が今後も続くことになる」と予測した。

 中国メディアも韓国の大規模受注を伝えたが、将来的には自信を抱いていることをほのめかした。中国メディアはこれまでにカタールからLNG船16隻を受注した点を強調している。中国船舶集団(CSSC)傘下の滬東中華造船は今年4月、カタールと16隻(8隻建造、8隻オプション)のLNG船スロット契約を結んでいる。

 中国のポータルサイト、新浪は「今回のカタールによるLNG船の大規模発注は受注で苦戦していた韓国造船業界にとっては恵みの雨のようなニュースだ。過去最大規模の今回の受注には韓国だけでなく、中国の滬東中華造船も加わった」と伝えた。

 新浪はまた、「最近数年間、中国の造船会社による急速な成長は既存市場(韓国が独占するLNG船市場)を切り崩すことができると期待される。滬東中華造船、江南造船など中国の造船所もLNG船を建造可能である点に注目すべきだ。LNG船の建造技術育成と同時にカタールとの緊密な協力を図れば、いつかは韓国と真っ向から対決できるはずだ」と指摘した。

 中国の造船専門メディア、中国船舶網も韓国勢による受注を伝える報道で、中国が先にカタールから16隻を受注した点を強調。「当時LNG船を独占するという韓国の自信を打ち破り、韓国造船業界に衝撃を与えた」と説明した。

キム・ウヨン記者

ホーム TOP