▲今月14日午後、ソウル市鍾路区光化門広場に用意された故ペク・ソンヨプ将軍の市民焼香所。市民が弔問のためテント前に並んでいる。/写真=コ・ウンホ記者

 今月11日から14日までソウルの光化門広場に設けられた故ペク・ソンヨプ予備役陸軍大将の市民焼香所を、ソウル市が「違法施設物」と見なし、弁償金を取り立てることとした。市民が国に代わって戦争の英雄をたたえようと自発的に焼香所を設け、追悼したことに対し、過度の処分を下すものという指摘がなされている。

 21日にソウル市は「今月11日から光化門広場で違法に運営された市民焼香所について、弁償金330万1750ウォン(約29万5430円)を賦課する予定」と表明した。早ければ22日にも主催側へ弁償金賦課の事前通知書を送り、それから15日間、主催側が異議申し立てをしなければ弁償金が確定し、賦課される。

 今回の措置は、ソウル市がペク将軍市民焼香所を違法集会用テントのような違法施設物だと判断したことに伴うもの。市関係者は「光化門広場を使用するためには事前に使用許可を受けなければならないが、この団体は許可を受けずにテントを設置した」とし「当時、数回にわたって撤去戒告状を送ったが履行されず、事後弁償金を賦課する」と語った。

 これまで市は光化門広場の申告のない違法集会・デモなどに対し、専有面積や時間などを考慮して弁償金を賦課してきた。昨年5月10日から6月25日まで光化門広場を違法に占拠してきた「ウリ共和党」のテントに389万ウォン(現在のレートで約34万8000円。以下同じ)を課したのが代表例だ。このほかにも市は昨年12月10日、全教組(全国教職員労働組合)創立メンバーで各種反米・親北デモを主導してきた故・呉宗烈(オ・ジョンリョル)進歩連帯議長の告別式には26万4960ウォン(約2万3708円)、同じく昨年11月11日から今年1月3日まで設置されていた民労総(全国民主労働組合総連盟)焼香所には82万3780ウォン(約7万3709円)をそれぞれ賦課した。

 これまでのケースに比べ、ペク将軍市民焼香所に賦課された弁償金およそ330万ウォンは過度に高い、という指摘もある。これについて市関係者は「かつては違法占有に対する弁償金を算定する際、一律に定められた単位面積当たりの金額を適用したが、昨年9月に大法院(最高裁に相当)が広場無断占有に伴う弁償金に『公示地価』を反映せよと判決を下したことから、金額が上がった」と説明した。

 主催側は「政府がやらないことを代わりにやった市民に返ってきた処分があまりに過酷」と主張した。全国大学生代表者協議会(新・全代協)のキム・スヒョン議長は「大将は突然世を去り、光化門広場の事前使用許可を受けることは現実的に不可能だった」として「政府がやるべき礼遇を代わりに行った市民に返ってきた結果が弁償金の告知書とは、実に苦々しい」とコメントした。ペク将軍は6・25戦争当時、最大の激戦に挙げられる「多富洞の戦い」を勝利に導き、反撃の転機を作った人物だ。

 ペク将軍市民焼香所は、新・全代協が今月11日午後8時ごろ、ソウルの光化門広場にテント6棟規模で設置した。ペク将軍が世を去り、葬儀は「国民葬」より格下の「陸軍葬」として執り行われるというニュースが発表されてから1日後のことだった。

 当時、光化門広場市民焼香所には韓国各地からニュースを聞いた国民が集まった。12日、13日は梅雨空だったが、傘を差した弔問客の列が夜遅くなっても続いた。韓国政府当局では市民焼香所設置の案内を一切行わなかったが、顔見知りからニュースを聞いて訪れた弔問客だった。主催側によると、4日間で計10万人がここを訪れて献花した。葬儀期間中にここを訪れた34歳の市民は「国のために功績を立てた英雄がきちんとした待遇も受けられずに世を去ったというニュースで残念に思い、あえて時間をつくって焼香所を訪れた」とし「追悼空間でもあり、英雄をきちんとお送りできた」と語った。

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