先月29日に大法院(最高裁に相当)で横領と贈収賄の罪などにより懲役17年と罰金130億ウォン(約12億円)の刑が確定した李明博(イ・ミョンバク)元大統領が、このほど再収監された。

 李・元大統領は2日、保守系最大野党「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)議員、張済元(チャン・ジェウォン)議員、金文洙(キム・ムンス)元京畿道知事、柳仁村(ユ・インチョン)元文化体育観光相などソウル市江南区ノンヒョン洞の自宅を訪れた側近らと会った後、午後1時45分ごろ、待機していた黒塗りの「ジェネシス」に乗ってソウル中央地検へ向かった。家を出る前、李・元大統領は側近らに「あまり心配するな。受刑生活をちゃんとやってきたい」としつつ、「私を拘束することはできても、真実を閉じ込めることはできないという信念で打ち勝っていきたい」と語った-と、元大統領の弁護人を務めるカン・フン弁護士は伝えた。

 午後2時ごろ中央地検に到着した李・元大統領は、身元確認や刑執行の告知などの行政手続を経て、ソウル東部拘置所へ向かった。午後2時40分ごろ、李・元大統領が乗った車が拘置所に到着するや、拘置所前に待機していた支持者およそ30人は「李明博拘束取消」などのスローガンを叫んだ。一方、左派系ユーチューバーらは付近で「李明博拘束祝賀」などのスローガンを叫んだ。

 李・元大統領は身体検査や所持品の領置、収容記録簿の写真撮影など一般囚人と同じ入監手続きに臨み、拘置所12階にある広さ4坪ほどの独房に収容された。2018年3月22日に拘束された後、翌年3月6日に保釈されるまで過ごしていたのと同じ場所だ。この独房には、一般収容者と同じくテレビと鏡、布団・マットレスなどの寝具類、食卓を兼ねた机、私物入れ、シンク、清掃用具などが備え付けられている。元職大統領の収容例などを考慮し、専担の教導官(刑務官)も指定された。刑が確定した既決囚は、拘置所にとどまって受刑者分類作業を終えた後、刑務所へ移監される。ただし李・元大統領は、元職大統領という点や高齢・持病などを考慮し、刑務所への移監を行わず東部拘置所で刑に服する可能性が高い。

 「元職大統領の礼遇に関する法律」は、禁固以上の刑が確定した元職大統領について、警護・警備を除く礼遇を享受できないと定めている。これにより李・元大統領は、年金支給や交通・通信およびオフィスの提供、本人と家族に対する治療などの礼遇がはく奪される。ただし、金潤玉(キム・ユンオク)夫人に対する警護は大統領警護処が引き続き担当する。捜査と裁判の過程でおよそ1年にわたり拘置所に収監されていた李・元大統領の残りの受刑期間はおよそ16年で、刑期を全て終えると、95歳の2036年に釈放される。

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