中国の王毅・国務委員兼外相が26日、韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)長官との会談に24分遅刻した。外交部庁舎から4-5キロしか離れていないホテルから出発したにもかかわらず、「交通渋滞」を口実にした。会談の冒頭では謝罪の一言もなく、昼食会になってやっと理解を求めたという。会談直後、「米中対立」について問う質問に王毅外相は「この世界には米国だけが存在するわけではない」と述べた。米国の同盟国である韓国に来て「米国の側に立つな」と圧力をかけたのだ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が握手を求めると、「コロナ防疫を理由に予定にはなかった儀典」との理由でぐずついた。昨年12月に来韓した際には、韓国側の関係者100人を突然昼食会に呼びつけておきながら37分遅刻した。謝罪もなかった。その一方で王毅外相は米国務長官が30分遅刻した際には、謝罪を受けても顔を赤らめたような人物だ。

 王毅外相の中国共産党における序列は25位以下だ。政治局員でもない中央委員だ。それでも韓国に滞在する期間、大韓民国において序列1位の大統領、2位の国会議長、さらには元与党代表、大統領特別補佐官や側近などに次々と会う。自家隔離中の与党代表は「コロナの渦中における来韓に大きく感動した」という手紙を送った。ある長官は会談に応じてさえもらえなかった。これとは別に序列がより高い中国の楊潔チ・外交政治局員は今年8月に来韓した際、文大統領に会いに行くこともなく、ソウルではない釜山で青瓦台(韓国大統領府)安保室長だけに会って帰国した。このあり得ない動きに韓国も中国も今なお一言の説明もしていない。

 中国は周辺国と平等な立場に基づいた外交をしてきた歴史がない。常に朝貢外交だけだった。このような国を相手にする際、軽々しく頭を下げるとその後も無視され続ける。ところが韓国政府は中国が文大統領の特使を香港行政長官の席に座らせても、大統領の取材記者が激しく集団暴行を受けても、さらには王毅外相が大統領の腕をたたいても一言の抗議さえしなかった。コロナの感染が一気に拡大していた当時も中国からの入国は一切制限せず、また中国が6・25南侵を歪曲(わいきょく)しても沈黙した。中国を前にすると「猫の前のねずみ」だ。世界10位圏の民主国家の国民にこれ以上恥ずかしい思いをさせないでほしいものだ。

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