▲17日に開幕した文在寅(ムン・ジェイン)大統領の息子ムン・ジュンヨン氏の個展「視線を超え、どこかの間に」展示場の全景。中央の作品は今年の新作で、価格は5万ドル(約520万円)に設定されていた。写真=チョン・サンヒョク記者

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の長男ムン・ジュンヨン氏(38)=写真=が「新型コロナウイルス被害緊急芸術支援」を申請し、ソウル市から1400万ウォン(約130万円)の支援金を受け取っていたことが20日、確認された。ジュンヨン氏はこのほど開幕した個展の準備を名目に支援金を申請し、受け取っていた。ジュンヨン氏は今年5月にも「パラダイス文化財団」支援アーティストに選ばれ、約3000万ウォン(約280万円)を受け取っている。

 ソウル市とソウル文化財団は今年4月、「新型コロナウイルスにより直接的・間接的な打撃を受けた文化芸術関係者や団体を支援するため、ソウルで活動する芸術家・団体を対象に、芸術活動の支援を通じて文化芸術界の危機克服と活性化を図る」として、ソウルに活動拠点を置いている芸術家たちに新型コロナ被害事実確認書などを提出させた。被害事実確認書には具体的な被害内容を記述しなければならない。ソウル文化財団側は「申請の時点までで、ジュンヨン氏が参加しようとしていた展示が3件、新型コロナにより中止となり大きな損害が出ている、という内容だった」と説明した。受付は4月6日から17日までで、結果は29日に発表された。ジュンヨン氏が申請した視覚分野では合計281件の申請があり、ジュンヨン氏を含む46組が選ばれた。支援の最低額は600万ウォン(約56万円)、最高額はジュンヨン氏ら36人が受け取った1400万ウォンだった。

 ジュンヨン氏の個展は、ソウル市中区のクムサン・ギャラリーで今月17日に始まったが、同ギャラリーのファン・ダルソン代表は文大統領の小学校の同級生であることが分かり、インターネット上にさまざまな意見が寄せられた。同ギャラリーは文大統領の娘ムン・ダヘさんが2年間、アシスタント・キュレーターとして勤めた所でもある。ファン・ダルソン代表は20日、本紙の電話取材に「大統領の息子であるジュンヨン氏とは大学卒業時からアーティスト的な姿勢などについてアドバイスして関係を結んできた。今回の個展開催は大統領との親交によるものではない」と話した。個展は23日まで行われる。

 大統領の息子の個展開催というニュースに各政派の反応は大きかった。動画投稿・共有サイト「ユーチューブ」のチャンネル「カロセロ(縦横)研究所」では18日の放送で、「大統領の息子の個展のために『社会的距離確保』の第3段階への引き上げが持ち越されている」という内容の主張をしたほか、野党・国民の力は政府の新型コロナ問題対応を批判し、「このさなかに大統領の家族が8年ぶりに展示会を開くというニュースもあった。追求するという点は理解するが、この時局に模範を示さなければ、国民もついてこないだろう」という報道官の論評を20日に発表した。しかし、同日、個展会場には人がほとんどいなかった。同ギャラリー関係者は「一日の訪問者は多くても25人ほど」と語った。

 ジュンヨン氏は、影が光の角度に応じてゆがむ輪郭を見せ、これが幻視をもたらすという考えに基づく映像作品5点を発表した。最も高価なものは5万ドル(約520万円)で販売されている。1点は非売品、ほかは600ドル-2万ドル(約6万2000-200万円)前後だ。 同ギャラリー側は「まだ売れた作品はない」と明らかにした。

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