韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が26日、京畿道平沢市の韓国海軍第2艦隊司令部で開かれた第6回「西海守護の日」記念式典に出席し、「北朝鮮のミサイル試験発射について、国民の皆さんの懸念が大きいことをよく理解している」としつつ、「今は南北米全て、対話を続けていくため努力すべき時」だと語った。「対話の雰囲気に困難をもたらすことは決して望ましくない」とも語った。北朝鮮を糾弾したり、挑発の責任に直接言及したりすることはなく、原則的なレベルで「望ましくない」と言ったわけだ。米国のジョー・バイデン大統領も、北朝鮮の弾道ミサイル発射について国連安保理決議違反だと明確に語ったが、文大統領はこの問題にも触れなかった。これに先立ち文大統領は、昨年の「西海守護の日」記念式典では「北朝鮮」に一度も言及しなかった。今年も、哨戒艦「天安」爆沈事件などが北朝鮮の仕業だという事実には言及しなかった。

 「西海守護の日」は、北朝鮮が起こした第2延坪海戦、「天安」爆沈事件、延坪島砲撃挑発で戦死した国軍将兵らを追悼するため、2015年に国家記念日に指定された。文大統領が記念式典に出席したのは、就任以来、昨年に続いて今年が2度目だ。

 文大統領は26日、「われわれは韓半島非核化の原則を順守しつつも、自分たち自身を守るのに十分な世界最高水準のミサイル能力を保有している」と主張した。続いて「政府は平和を守り、平和を作ることができる圧倒的な力を備えるため、絶えず努力してきた」とし、「過去4年、西海で武力衝突や軍事的挑発で傷ついたり命を落としたりした将兵はただの1人もいない」と発言した。

 さらに文大統領は「2023年から西海を駆ける新型フリゲートの名前を『天安』に決定した」とし、「天安は英雄らと生存将兵らの闘魂を込め、輝かしく復活するだろう」と語った。2800トン級新型フリゲート(FFG-II)は、対空・対艦・対潜水艦作戦はもちろん、対地戦闘まで遂行できる火力を備えている。進水前に艦名を公開するのは異例のケースだ。

 文大統領は、記念式典に先立って第2延坪海戦の戦跡碑を訪れ、第2延坪海戦および延坪島砲撃挑発の戦死者8人の霊をたたえた。式典後にはチェ・ウォンイル元「天安」艦長と46勇士追悼碑に献花・焼香を行い、「天安」の船体を視察した。文大統領は「遺族やチェ元艦長をはじめとする『天安』生存将兵らに、慰労と共に感謝の言葉を申し上げる」とし、「不意の攻撃にも堂々と打ち勝った延坪島砲撃挑発の英雄らにも深く感謝申し上げる」と語った。

 この日の記念式典は、海軍1等兵として服務中の俳優パク・ボゴムと国防広報院のチョン・ドンミ陸軍大尉の司会で、およそ1時間にわたって行われた。文大統領夫妻と戦死者遺族およそ80人、与党「共に民主党」の金太年(キム・テニョン)党代表職務代行、保守系最大野党「国民の力」の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長をはじめとする政界・政府要人およそ200人が出席した。なお、国家報勲処が遅まきながら前日に出席を認めた野党側の政務委・国防委所属議員らは、大部分が欠席した。

ホーム TOP