社会総合
韓国の大学生「オンライン授業が良い」69%
京畿道南楊州市に住むソウル大学1回生のある学生(20)は「2学期は対面授業」との連絡を受けてがっかりした。今年入学した「コロナ学番(学籍番号)」の彼は今年はずっと自宅でノートパソコンを使った「オンライン授業」を受けてきた。学生は「自宅から学校まで行くにはバスと地下鉄を2回乗り換えなければならず、往復で4時間かかる」「もし寄宿舎に入れなければ下宿などをするしかないが、毎月の家賃が50万ウォン(約4万9000円)は必要だ。これは大きな負担になる」と訴えた。
韓国の各大学が2学期から次々と対面授業を行う準備に取りかかる中、学生たちからは逆に「オンライン授業の方が良い」という声が相次いでいる。コロナの感染拡大から1年半が過ぎ、学生たちは「オンライン講義派」に変わったのだ。延世大学総学生会が在学生を対象に行い先月発表した「2学期講義方式の希望に関する調査」の結果をみても、回答者は10人中7人の割合で「オンライン」を希望していた。学部と大学院に在学する2987人のうち42%が「全面オンライン」を希望し、27%は「原則オンライン、30人以下の小規模講義のみ対面」を選んだ。「全面対面授業」を希望したのは31%にとどまった。
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学生たちは「オンライン授業の方がかなり効率的だ」と語る。オンラインの場合はZOOMなどを使ったリアルタイム方式や講義の録画提供などが行われるわけだが、この場合は対面授業とは違って理解できなかった部分を繰り返し視聴できるというのだ。さらに「教授とのやり取りが以前よりも簡単になった」との意見もある。ソウル大学4回生のある学生(22)は「大きな講義室で一人手を上げて質問するのはきまりが悪いが、オンラインの場合はチャットで質問すれば良いのではるかに負担が軽い」と述べた。ソウル大学が昨年12月に実施した「オンライン授業の満足度調査」によると、回答者の64%が「非常に満足」あるいは「満足」と回答した。昨年6月(42%)に比べて22ポイントも上がったのだ。高麗大学1回生の学生(19)は「コロナがまだ安定していない状態なので、対面授業を行うとしても期待していた高延戦(延世大学とのスポーツ戦)やMT(新入生研修)、サークルなどはまだ難しいだろう。これではオンラインの強みも失われるし、キャンパスライフの楽しさもまともに感じられるか心配だ」と不安な様子だった。
もう一つの理由は「通学時間」と「家賃」が節約できるということだ。オンライン授業の期間中、学生たちは大学近くの下宿ではなく地方の自宅などで遠隔授業を受けていた。ソウル大学2回生のある学生(20)は「1年半にわたり大邱の自宅にいたので家賃や交通費などで節約できた額は1000万ウォン(約99万円)にはなるだろう」「その金で本を購入できたし貯蓄もできて良かった」と述べた。漢陽大学3回生の学生(21)も「授業に行くため毎日朝と夕方に『地獄鉄(地獄のような地下鉄)』に乗る必要はなかったので、却って授業に集中できたと思う」と語った。
20代は「コロナ・ワクチンの接種が受けられない世代」という点も影響しているようだ。延世大学に通うある学生(23)は「換気ができている講義室も多いが、狭い空間にワクチン接種を受けていない学生が数十人集まり、2-3時間一緒に座っているのは危険に感じる」と不安そうだった。
キム・テジュ記者