新型コロナウイルス感染症の防疫措置段階レベル4(最高段階)適用地域における「私的な集まりは2人まで」という制限と関連して、韓国政府はワクチン接種完了者2人を含む場合は4人までの集まりを許可することにした。ところが、場所を料理店・カフェに制限したことから、「防疫指針基準は公平性に欠ける」と指摘する声が上がっている。

 中央災難(災害)安全対策本部は20日の定例記者会見で、現行の防疫措置段階を来月5日まで2週間延長することにした。首都圏・釜山市・大田市・済州市などレベル4が適用されている地域の料理店・カフェの営業時間は「午後10時まで」から「午後9時まで」へと1時間短縮されるなど、防疫措置をいっそう強化した。

 ただし、午後6時以降は私的な集まりを2人まで制限したことに関連して、ワクチン接種完了者2人が含まれる場合は4人で午後9時まで料理店やカフェに滞在できることにした。2回目のワクチン接種を終えた後、免疫形成期間の14日間が経過した人がワクチン接種完了者に該当する。未接種者は現行通り2人までの集まりとなる。

 同本部関係者は「(飲食店を経営する)自営業者らの苦境を考慮し、接種者に限り4人までの集まりを可能にした」「これに対する補完策として、営業時間を『午後9時まで』として制限した。この時間以降はテイクアウトやデリバリーのみ可能だ」と語った。

 中央事故収拾本部の孫映レ(ソン・ヨンレ)社会戦略班長は「ワクチン接種完了だとしても、4人の集まりを許可するのは料理店やカフェに限定する」と述べた。そのほかの施設や別の場所では、レベル4地域内では同措置が原則的に適用されないと強調した。営業制限時間を1時間短縮することによる被害を一定部分補償するためだというのが孫班長の説明だ。

 孫班長はさらに、「家庭内などほかの私的空間では予防接種完了者を含むとしても原則として4人で集まることはできない」と明らかにした。実家を離れて暮らしている社会人の子どもが夕方6時以降、接種完了者の両親と飲食店では会うことができるが、実家で夕食を共にすることはできない、ということだ。

 このような措置について、実家を離れて暮らしている人々の間から不満の声が上がっている。30代会社員のキムさんは「親が誕生日を迎えるので数時間かけて実家に行き、夕食だけ食べてすぐに帰って来なければならない状況なのに、久しぶりに実家で食事をすることもできないなんて、もどかしい」と話す。

 また、料理店やカフェだけが午後9時まで営業時間を短縮したことについても、公平性を問う声が上がっている。室内スポーツ施設やカラオケ店などは営業時間が短縮されていないためだ。これについて、同本部では「現在、集団感染が発生している場所の約3分の1が料理店やカフェだが、特性上、マスクを着用し続けること自体が不可能だ」「カラオケ店や塾、室内スポーツ施設に対しては、従事者に対して定期的な検査を実施する方向で防疫管理を強化する方針だ」と説明した。

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