▲マンション地上駐車場で車中泊=ネット掲示板「車中泊キャンプ」カフェ

 新型コロナウイルス感染症の影響で車中泊キャンプが人気を呼び、住民たちと対立する事例が相次いでいる中、ある「車中泊キャンプ族」がマンションの駐車場で料理したり食事をしたりしている写真を公開して物議を醸している。

 韓国ネット上のある「車中泊キャンプ」関連コミュニティー・サイトの掲示板には23日、マンションの地上駐車場で車中泊キャンプをしたという体験記が掲載された。投稿者は「雨が降るというから友達とキムチチヂミやマッコリ(韓国の濁酒)を持って(行った)」「もしかしたらと思って車の上にテントを張って雨に当たらないようにした」と書き込んだ。

 この文章と一緒に掲載した写真には、携帯用ガスコンロにフライパンを載せてキムチチヂミを焼く様子や、テーブルの上に数種類のおつまみやマッコリなどを並べた様子などが写っていた。

■「マンションの車中泊はみんなに迷惑」…キャンプ族の一部は「やってみたい」

 体験記を読んだ同コミュニティー・サイトの人々の反応は分かれている。

 一部の人々は「うちのマンションの駐車場は車がぎゅうぎゅう詰めで考えもしなかったけど、やってもいいなら一度してみたい」「私もお弁当作ってチャクニック(車〈韓国語でチャ〉を利用したピクニックの略語)場所を探したけど、ちょうどいい場所が見つからなくて、マンションの駐車場でやった」などとコメントした。

 その一方で、ほとんどの人々はマンション内の車中泊について懐疑的な反応を見せた。そうした人々は「マンションの駐車場は煮炊き禁止のはずなのに」「マンションの駐車場にテント張って調理するのは大勢の人に迷惑がかかるのではないのか」「こんなことをしていたら火事になる」などと懸念するコメントを書き込んだ。こうした反応に、投稿者は「(炊事禁止ということを)知らなかった。管理人も何も言わなかった」とリプライしている。

 この体験記はほかのコミュニティー・サイトにも拡散されている。ネットユーザーたちの反応は「マンション駐車場でのキャンプは、ほかの住民たちに迷惑な上、火事の危険もあり、望ましくない」という意見が支配的だった。

 ネットユーザーたちは特に、先日666台の車が被害に遭った忠清南道天安市内のマンションの地下駐車場火災に言及、「警戒心を持たなければならない」と指摘した。この火災は11日、天安市内のあるマンションの地下駐車場で、出張洗車業者のミニバンが爆発して発生したものだ。スチーム洗車のための車に載せていたLPガスボンベからガスが漏れていたのに気付かず、30代の洗車スタッフがタバコを吸うためライターをつけた瞬間、爆発したものと見られている。

■マンションでは口をそろえて「駐車場キャンプ、絶対ダメ」

 朝鮮日報のオンライン・ニュース・サービス「チョソン・ドットコム」が取材した結果、投稿者が料理をしたと推定される地域のマンションは駐車場内での煮炊きを厳しく禁止していることが分かった。

 自治体関係者は「市や区としては駐車場での炊事に対して特に制裁する方法はない」「マンション駐車場内で炊事が可能かどうかは、各マンションの管理規約に基づいて定められている」と語った。

 これに対して、近隣の各マンションでは「駐車場での炊事はできない」と口をそろえている。Aマンションの関係者は「マンションの駐車場内でのキャンプなんてとんでもない話だ」「炊事は絶対にできない」と言った。Bマンションの関係者も「マンションの駐車場でなぜキャンプをするのか」「それに炊事は禁止されている」と語った。

 そうした一方で、車中泊キャンプが人気を呼び、全国各地でこれに関する苦情が増えている。特に、いわゆる「車中泊スポット」として有名な江原道江陵市にある景色のきれいな高地「アンバンデギ」公式ホームページには最近、駐車場でキャンプ・車中泊・炊事・テント設営などによる苦情が相次いでいる。これについて江陵市は「公衆道徳を順守してほしい」という内容の案内・警告文を掲載している。

キム・ジア記者

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