【写真】現代自が8月31日に公開したアイオニック5のロボタクシー/現代自動車提供

 現代自動車グループは8月31日、電気自動車「アイオニック5」をベースに開発した無人の自動運転ロボタクシーを公開した。現代自が自動運転技術開発業者の米モーショナルと共同開発したもので、緊急状況でも運転者の介入なしで車が自分で走行できる先端自動運転技術が採用された。モーショナルは現代自と米電装メーカー、アプティブが合弁で設立した企業だ。現代自は9月7日にドイツ・ミュンヘンで開かれる「2021IAAモビリティーモーターショー」に実物を展示する予定だ。

 アイオニック5ロボタクシーは外観だけで自動運転車であることが分かる。車の上部に円筒形レーダー「LiDAR(ライダー)」とカメラ、レーダーセンサー部品が取り付けられている。LiDARとレーダーは前方300メートルまで感知でき、センサーは車の周辺360度の交通状況と障害物を認識する。車両前面のバンパー、左右のサイドミラー下、後方のトランク上方にもセンサーが設置されている。

 現代自関係者は「全部で31のセンサーが周辺の交通状況を認識し、安全な自動運転を支援する。センサーと方向調整、ブレーキ、通信などのシステムが全て二重に構成されており、メーンシステムが故障しても補助システムが直ちに作動する」と説明した。

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 車内空間は従来のアイオニック5とほぼ同じだが、乗客と意思疎通できる装置が追加された。例えば、運転席前方のダッシュボード上端には外部から見える小型ディスプレーが取り付けられ、ロボタクシーを呼び出した乗客が自分のIDを確認した上で乗車できる。運転席後方にはタブレット端末があり、乗客が移動経路を確認したり、途中での停車場所を追加したりできる。車内の天井にはスピーカー、マイク、通話ボタンがあり、管制センターに連絡可能だ。

 現代自はロボタクシーが運転中、道路の浸水など対処困難な突発事態に遭遇した場合、管制センターがルートを修正するなど遠隔支援サービスを行う予定だ。車内にもカメラを設置し、乗客がシートベルトを着用しているか、忘れ物がないかどうかなどを確認後、警告を発する。2023年からはカーシェアリング業者のLyft(リフト)と共同で米主要都市でのロボタクシーサービスにアイオニック5ロボタクシーを投入する計画だ。現代自関係者は「モーショナルは事故や誤作動なしで10万回以上の無人自動運転試験走行に成功した経験を持っている」と説明した。

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