コロナの影響を受け、営業利益で利払いを賄えない状況から脱却できない「限界企業」が急増している。韓国銀行によると、昨年の外部会計監査対象企業のうち、限界企業の割合は15%(3465社)で前年に比べ0.5ポイント増えた。2010年の統計開始以降で最高だった。限界企業は3年連続で営業利益が利払い費用を下回った企業を指す。昨年限界企業に転落したのは1175社で19年(1077社)に比べ9%増えた。

 

 そうした企業が借り入れた「危険な融資」は124兆5000億ウォン(約11兆7000億円)で、前年に比べ9兆1000億ウォン増えた。業種別ではコロナで大きな打撃を受けた宿泊・飲食で限界企業の割合が43%を占め最高だった。

 さらに問題なのは、コロナが長期化し、限界企業に転落しかねない企業が急速に増えていることだ。まだ「3年連続」という条件を満たしていないが、コロナの影響を受け始めた昨年1年間に利払い費用が営業利益を上回った企業の割合は企業全体の15%(過去5年の平均は12%)に増えた。韓銀は「今後ショックが発生した場合、限界企業に転落しかねない企業が過去に比べ多い点に留意しなければならない」と警告した。

 金融当局はコロナの衝撃を受けた自営業者、中小企業の融資返済猶予措置を来年3月まで3回にわたり延長した。当初は6カ月の予定だったが、2年まで延びたことになる。銀行が「これ以上の延長は困難だ」とする立場を示しており、来年3月に終了する可能性がある。融資返済猶予措置が終了し、同時に韓銀が政策金利も引き上げた場合、経営難の中小企業が一斉に融資返済に行き詰まり、金融に衝撃を広げる可能性もある。金融委員会によると、元金、利子の返済を猶予されている融資の残高は120兆7000億ウォンに達する。李柱烈(イ・ジュヨル)韓銀総裁は先月、政策金利を0.75%へと0.25%引き上げた際、「金融不均衡緩和の第一歩を踏み出したものだ」と発言し、追加利上げを既成事実化している。

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