中央選挙管理委員会は22日、韓国大統領選の選挙運動に使われている横断幕やボードに「公務用クレジットカードで買ったすし10人前、牛肉は誰が食べたのか」という文言を使用することを認めた。また、「前科4犯はいけません」「暴言、不倫を審判しよう」「暴言を放ち、倫理に反する人物を選びますか」といった文言の使用も認めた。野党国民の力は最近、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)候補を巡る公務用クレジットカード流用疑惑などを念頭に、そうした文言の使用が可能かどうか照会し、選管が「可能だ」と回答したものだ。民主党も国民の党の尹錫悦(ユン・ソクヨル)候補を巡る祈祷師論争と関連し、「生きている牛の皮を剥ぐ勢力に国を任せますか」という文言の使用が可能かどうかを選管に問い合わせ、許諾を得ている。政界からは「選管が与野党双方からの批判をかわすため、嫌悪感を与える文言の使用を無差別に認めている」との指摘が出ている。

 

 国民の力関係者は同日、選管に横断幕の文言使用可否を問い合わせた件に関連し、「選管が表現の自由を掲げ、与党が(新興宗教団体の)新天地、巫俗(ふぞく)といった単語を横断幕に使用することを認めたので、我々もネガティブ(キャンペーン)に対応する意味で文言の使用について照会し、許可を受けた」と語った。これに関連し、選管関係者は「今回の大統領選では候補者が特定される表現だけが制限され、政治的表現の自由を最大限幅広く保障する方向で運用している」と説明した。選管はこれに先立ち、民主党が照会した「青瓦台を祈祷所にすることはできません」「祈祷師で足りず、新天地とはどういうことか」「酒と呪術におぼれた大統領を望みますか」「働く人間と酒飲み、どちらを選びますか」といった文言を認めた。

 選管の職権による一連の解釈を巡り、政界からは「判断基準があいまいだ」との指摘が聞かれる。ある民主党議員は「選管が認めた『すし』『暴言』などは李在明候補の妻キム・ヘギョン氏の公務用クレジットカード使用疑惑、李候補の兄嫁に対する暴言疑惑を連想させる表現にもかかわらず、候補を特定していないと判断したことは納得がいかない」と述べた。国民の力のある議員も「選管は表現の自由を保障する意味でと言っているが、事実と異なる文言の使用を認めれば、公正な審判義務を放棄したものであり、虚偽事実公表と中傷を禁止する選挙法に違反する疑いがある」と指摘した。

チュ・ヒョンシク記者

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