経済総合
最近韓国企業はロボットの話題で持ち切り(上)
先月末に開かれた現代自動車の株主総会ではロボット「タリ」が株主を迎えた。株主に手を振り、「ご出席ありがとうございます」とあいさつした。現代自ロボティクスラボが独自開発したタリは、顔を認識して会話できるサービス用ロボットだ。同社の一部店舗では、顧客応対業務を担当している。鄭義宣(チョン・ウィソン)会長は今年1月、米国で開催された世界最大のIT展示会「CES2022」のメディアイベントでステージに立った際、現代自が買収した世界的なロボット企業ボストン・ダイナミックスのロボット犬「スポット」と共に登場し、注目を集めた。鄭会長は「ロボティクス(ロボット工学)はもはや夢ではない現実だ」と述べた。
最近、韓国主要企業にとって最大の話題は「ロボット」だ。IT、電子だけでなく、通信、自動車、配送業界までもが参入した。コロナ以降、非対面の日常化でロボットが急速に人間の生活に浸透しているからだ。企業はロボットを人工知能(AI)、自動運転と融合する「未来の収入源」と考えている。世界的な市場調査会社ストラテジー・アナリティクス(SA)によると、世界のロボット関連市場規模は、2019年の310億ドルから24年には1220億ドルへと約4倍に拡大する見通しだという。
■各社が先を争いロボット事業
サムスン電子の韓宗熙(ハン・ジョンヒ)副会長は先月の株主総会で、「新産業発掘の最初の一歩はロボット事業だ」と指摘した。「ロボットは顧客と接点を持つ新しいチャンス領域」だというのだ。同社は今年初め、CESで食卓のセッティングなどを手伝う家事補助ロボット「サムスンボットハンディ」を発表した。ロボットが物を精巧につまむ技術は実現が難しいが、ハンディはグラスや食器を安定してつかむことができる。同社は昨年、体が不自由な人の歩行を補助するウェアラブルロボット「ジェムス」を発表した。社内のロボット事業化タスクフォース(TF)をロボット事業チームに格上げし、人員も1年間で約10倍に増やした。
LG電子はさまざまなサービス現場で使用可能な自動運転ロボット「LGクロイ(CLoi)」のシリーズを投入した。先月初めには観覧客に韓国語、英語、中国語、日本語で作品について案内する「LGクロイガイドボット」を博物館に供給することも決めた。また、ホテル宿泊客がルームサービスで注文したワインや料理、タオルなどを客室まで運ぶ「LGクロイサーブボット」を京畿道、江原道内の一部ホテルに提供した。エレベーター利用中の衝突・転倒防止および障害物回避に関する韓国エレベーター安全公団の性能認証も受けた。