【韓国ジェンダーリポート2022】〈第1回〉 韓国駐在の外信特派員たちは「韓国の若い世代の間で起きているジェンダー対立は海外で類を見ない」と口をそろえる。

 フランス国営ラジオ「RFI」のニコラス・ロカ特派員は「韓国の若い男性たちが集まって反フェミニズム集会を開くのを見て衝撃を受けた」とし「欧州にもキリスト教団体とフェミニスト集団の対立は存在するが、若い男女が互いを非難し合うのは韓国のみに存在する現象」と話す。毎日新聞の渋江千春特派員も「日本ではオンライン・オフラインで若い世代が男女に分かれて集団対立した例は、ほぼ聞いた試しがない」と指摘する。

 外信記者たちは、徴兵制など韓国の特殊性を男女対立の代表的原因として挙げながらも、入試や就職を巡る競争が激化したことも相当な影響を及ぼしている、と分析する。ロカ特派員は「若い世代は過去に比べて就職やマイホームの購入で、はるかに困難な時代を生きている」とし、欧州の若者たちは就職難の責任を海外からの移住者に転嫁するが、韓国では男女が互いに転嫁する点に着目する。渋江特派員は「韓国は日本に比べて大卒者の就職率がはるかに低く、不動産問題も深刻だ」とし、これが韓国の若者たちの公正と不平等に対して敏感に反応する原因、と述べた。

 今年3月の大統領選挙で、20代男性を中心とする公約を掲げた「国民の力」に対する批判も噴出した。ドイツ国営放送「ドイチェ・ベレ」のフランク・シュミット特派員は「尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はフェミニスト集団を疎外し、男性を支持基盤に引き入れた」とし「(女性家族部廃止の公約は)政治的」と述べた。ロカ特派員も「李俊錫(イ・ジュンソク)党代表の『イデナム(20代男性の意)政治』はトランプ前米国大統領がメキシコを相手に繰り広げた『国境の壁建設(Build the wall)』戦略をほうふつさせる」と語った。

〈特別取材チーム〉金潤徳(キム・ユンドク)週末ニュース部長、キム・ヨンジュ社会政策部次長、卞熙媛(ピョン・ヒウォン)産業部次長、キム・ギョンピル政治部記者、ユ・ジョンホン社会部記者、ユ・ジェイン社会部記者、ユン・サンジン社会部記者

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