29日、日本の海上自衛隊護衛艦が旭日旗とほぼ同じデザインの自衛艦旗を掲揚したまま釜山に入港したことについて、野党・共に民主党は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は国民の自尊心を踏みにじった」と批判した。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)政権1年目だった2017年にも同じ自衛艦旗を掲げた日本の艦隊が韓国国内に入ってきていたことが写真で確認された。当時の政権はこうした事実を報道機関に知らせず、関連写真も公開しなかった。

■共に民主党「歴史を忘れた尹政権、答えろ」

 日本の海上自衛隊護衛艦「はまぎり」は29日午前9時30分ごろ、釜山海軍作戦基地に入港した。韓国が31日に主催する多国間海上阻止訓練「イースタン・エンデバー23」に参加するためだ。「はまぎり」は旭日旗の一種である自衛艦旗を掲げていた。1954年に制定された自衛隊法施行令によると、海上自衛隊の船舶は旭日の意匠を用いた自衛艦旗を掲揚しなければならないと定められている。韓国国防部では、日本の艦艇が自衛艦旗を掲げたまま訪韓するのは「通常の国際的慣例」という見解を持っているため、特に問題視しない方針だ。

 共に民主党はこうした尹錫悦政権の見解を「親日フレーム(親日派)」と猛非難している。

 同党の姜仙祐(カン・ソンウ)報道官はこの日、国会での記者会見で、「尹錫悦政権は旭日旗を掲げた日本の自衛隊艦艇の入港を許可した」「旭日旗は日本の軍国主義の象徴だ。日本の植民地支配に免罪符を与えただけでは飽き足らず、日本の軍国主義まで目をつぶってやろうというのか」と述べた。

 そして、「その次に日本の自衛隊戦闘機が大韓民国上空を飛び、日本の兵士たちが軍事訓練を共にする日が来ないという保障はあるのか」「これが尹大統領の言う『未来のための決断』なのか。韓国国民は歴史を忘れてしまった政府に大韓民国の未来を任せたというのか。あらためて聞こう。このような状況で旭日旗を掲げた自衛隊艦艇の入港を許可するのは正しいのか。尹錫悦政権は答えよ」と言った。

■文政権1年目にも自衛艦旗掲げた日本の艦艇が入港

 しかし、自衛艦旗を掲げた日本の艦艇が韓国国内に入港したことは以前にも何度かあった。こうしたことは保守政権時代はもちろん、進歩系政権時代も同じだった。特に政府・与党を挙げて積極的に「反日」を叫んだ文在寅政権でも旭日旗が掲げられた自衛艦2隻が入港している。

 それは2017年10月のことだった。韓国海軍と日本の海上自衛隊の親善交流のため行われた行事で、海上自衛隊の練習艦「かしま」(4050トン)と護衛艦「はるさめ」(4550トン)が平沢東港第1埠頭(ふとう)に同月23日に入港し、4日間滞在した。両艦には自衛艦旗が掲げられていた。

 だが、この入港は当時、どの報道機関にも取り上げられなかった。

 29日に本紙が入手した韓国海軍の当時の記録写真を見ると、「かしま」の船尾の方に旭日旗とほぼ同じデザインの自衛艦旗が掲揚されているのが確認できる。今回入港した「はまぎり」に掲げられているものと同じだ。文在寅政権はこの行事を報道機関に公表しなかった。

 このほか、金大中(キム・デジュン)政権時代の1998年と李明博(イ・ミョンバク)政権時代の2008年に日本の艦艇は韓国海軍が主管した国際観艦式に自衛艦旗を掲揚したまま参加している。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代の2007年にも日本の艦艇は親善行事のため仁川港に入港した。2010年に韓国が主催した大量破壊兵器拡散防止構想(拡散防止イニシアチブ=PSI)多国間海上阻止訓練時も、今年と同様に自衛隊の艦艇が釜山港に寄港している。

ムン・ジヨン記者

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