韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は18日、ハンスト中に健康が悪化し、国会近くの病院に搬送された。断食19日目となった同日午前、李代表は血糖値が急速に下がり、もうろうとした状態だったという。李代表は民主党が手配した救急車で近隣の汝矣島聖母病院に運ばれた。そこで生理食塩水の投与などの応急措置を受けた後、国会から20キロほど離れた中浪区の緑色病院に運ばれた。

 李代表は国会の近くでも有名な大病院ではなく、ベッド数400床規模の緑色病院に入院したのは事前に調整済みだったためとみられる。現行法では救急患者は地域の医療機関に搬送されるため、まず汝矣島聖母病院に行き、その後緑色病院に移ったことになる。これに関連し、民主党の韓ミン洙(ハン・ミンス)報道官は「ハンスト治療経験が豊富な専門医がおり、治療を支援する施設が完備している」と説明した。当初から李代表にハンストで問題が発生した場合、緑色病院を入院することを念頭に置いていたことになる。

 実際に緑色病院は野党関係者が断食した後、回復のために利用してきたいつもの病院だ。2004年に民主労働党の金恵敬(キム・ヘギョン)代表がイラク派兵反対ハンストの後、同病院に入院した。最近では「福島汚染水放出反対」ハンストを行った正義党の李貞味(イ・ジョンミ)代表、民主党の禹元植(ウ・ウォンシク)議員もこの病院で診療を受けた。ハンスト治療病院として知られていることに関連し、野党関係者は「ハンスト専門病院などどこにあるだろうか。労災や職業病リハビリ専門の病院として発足したところだ」と話した。

 民主党によると、李代表は緑色病院でしばらくハンストを継続するという。韓報道官は緑色病院前で記者団に対し、「李代表は病床でハンストを続けると表明した」とし、「暴走する政権にブレーキをかけるために自分が先頭に立たなければならないという意志だ」と述べた。李代表の状態については「危険な状況は乗り越えたが、気力は全く回復していない」と話した。

 李代表は最小限の輸液治療以外には飲食を一切しないという。医療陣は食事は取らなければならないと勧告したが、李代表は断食を続けるとして、食事を拒否している状況だ。民主党の権七勝(クォン・チルスン)首席広報は「長期間の断食で身体機能がかなり低下したというのが医療陣の所見だ」と述べた。

 緑色病院は03年、梁吉承(ヤン・ギルスン)源進職業病管理財団理事長の主導で設立された。1980~90年代で最悪の労働災害とされる源進レーヨン問題の被害者を支援していた源進財団が労働災害、職業病専門総合病院として開院したのだ。病院発展委員会には全国民主労働組合総連盟(民主労総)、韓国労働組合総連盟(韓国労総)の委員長が共同委員長として参加している。梁理事長は李代表が京畿道知事として在任中の21年、京畿道労働政策諮問委員会の民間委員として参加した。野党関係者は「国家暴力による被害者、難民など医療サービスから疎外された人々のための病院が緑色病院だ」と話した。

 しかし、李代表が有名病院ではなく緑色病院を選んだのには他の理由もあると分析されている。医療関係者は「李代表の敏感な健康情報の流出を防ぎ、取材陣などの病院への出入りを規制するため、どうしても野党と密接な関係にある病院が有利だと判断したのだろう」と述べた。李代表入院のニュースが伝わると、民主党支持層は緑色病院に後援金を送る運動を展開した。関心が集中すると、同病院のウェブサイトが一時接続できなくなった。

ウォン・ソンウ記者

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