ハンドボール女子韓国代表はアジア大会通算8度目の優勝を身長164センチメートルの日本代表GKに阻まれて逃した。ヘンリク・シグネル監督(47)率いる韓国代表チームは5日、中国・杭州の浙江工商大学スポーツセンターで行われた杭州アジア大会決勝で、日本に19-29で敗れ、銀メダルに終わった。韓国はハンドボール女子がアジア大会の正式種目となった1990年北京大会から今大会まで計9回のうち2回優勝を逃しているが、今回がその2回目だ。韓国は2010年広州大会では優勝を逃しながらも銅メダルだった。

 韓国はこの試合が始まるまでは楽勝だと思われていた。過去の対戦成績(41勝5敗1分)もそうだし、アジア大会決勝では無敵だったからだ。ハンドボール女子韓国代表の看板選手リュ・ウンヒ(33)は決勝前、「2010年広州大会で無残にも負けた時、その場にいたが、それをうまく乗り越えられて良かった」と話していた。2010年広州アジア大会準決勝で日本に28-29で敗れて銅メダルに終わった時のことに言及したものだ。

 ところが杭州でその悪夢がよみがえった。韓国は最初から活路を見出すことができなかった。前半18分に既に3-9とリードされていた。ゴールを阻む壁となったのは、身長164センチメートルという日本のGK馬場敦子(28)だった。GKとしては小柄な馬場は同日、神がかったプレーを連発した。韓国のGKチョン・ジンヒ(24)は身長181センチメートル、パク・セヨン(29)は177センチメートルだ。

 「小さな巨人」馬場が韓国の攻撃を相次いで阻んだことから、韓国側のムードは沈んでいた。シグネル監督はこの時、同試合で2回目のタイムアウトを要求した。しかし、その後も日本の守りは堅かった。韓国はこれといった追撃もできず、前半を8-14とリードされたまま終えた。

 後半戦でも韓国は10-15と3得点を連続で許し、流れを奪われたままだった。馬場の好守連発にひるんだのか、1対1の得点チャンスでもミスを乱発した。後半25分に韓国は17-27と10点差でリードされ、事実上、白旗を上げた。この日、攻撃の先鋒(せんぽう)に立つリュ・ウンヒとキム・ボウン(26)=三陟市庁=は3得点にとどまり、苦戦した。馬場はセーブ率54.8%(17/31)と善戦した。

 リュ・ウンヒは「私たちは失点もミスも多かった」「この試合がどれほど重要なのか知っていたし、先輩たちの功績を引き継ぎたかったが、できなくて残念だ」と語った。シグネル監督は「日本の優勝をお祝いする」「今日、どちらの方がよくやったかについては異論がない。我々にとっては失望すべき結果だ」「難しい試合だろうと予想はしていた。(無気力な敗戦ではなく)接戦になることを望んだが、今日は日本の方が優れていた。特に日本のGKが強かった」と敗因を分析した。

 アジアで日本や中国などが韓国をまだ追い越すことができない球技種目が女子のハンドボールだ。韓国は依然として日本に41勝6敗1分、中国には37勝3敗3分という圧倒的に優位な戦績を残している。だが、最近は日本との実力差が縮まりつつある。昨年12月のアジア選手権決勝では日本と延長戦にもつれ込み、韓国が34-29で勝った。今年8月のパリ五輪アジア予選では韓国が日本に25-24と辛勝した。直近の2度の対決で手に汗握る勝負が続いていたのだ。

 そして五輪予選から1カ月後の同日、日本が反撃に成功した。韓国がハンドボール女子代表チームの試合で日本に敗れたのは2012年の韓日定期戦以来、11年ぶりのことだ。しかし、当時はジュニア代表チームを派遣したため、実質的なトップクラスの代表チーム間の試合で敗れたのは、2010年広州アジア大会準決勝以来、13年ぶりとなる。

 日本の楠本繁生監督は「今日の試合結果は非常に満足している。60分間、我々はしっかりとしたディフェンス力を見せた。これが成功のカギだった」と語った。勝利の殊勲者であるGK馬場は「普段通り準備した」と言いながらも、「韓国のFWのオフェンスの流れを読んで、それを断ち切ろうと努力した」と語った。1994年広島大会、2010年広州大会、2014年仁川大会の準優勝がアジア大会歴代最高成績だった日本はこの日、アジア大会で初の優勝を手にした。

杭州=パク・カンヒョン記者

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